国土交通省の肝いりでスタートした、中古マンションの管理運営(履歴)情報の登録・閲覧システム、「みらいネット」だが、2年立った今、同システムへの登録管理組合数が伸び悩み、先行きに不安を残している。 その問題点は3点ある。 1)(財)マンション管理センターや関連団体による告知不足 マンション管理に熱心な一部団体(マンション管理関連のNPO法人やマンション管理士会等)と接触のある管理組合だけが加入し、ほとんどの管理組合(区分所有者)はその存在すら知らない。 2)管理組合が登録することによるメリットの不在 詳細にわたりデータが登録されても、活用方法が見出せていない。また上記1)の結果、外部者(中古マンション購入者等)がマンション情報を閲覧する文化もない。 3)管理組合(区分所有者)の無関心 みらいネットへの登録による具体的なメリットを見出せない以上、元々無関心な管理組合が加入する理由に乏しい。
いくら管理組合を啓蒙しようとしても、「管理運営を頑張るメリットが限定的であり、一部の熱心な理事会役員の自己満足に終ってしまう」現状では、みらいネットの発展は望めない。 ここで発想を変えてみてはどうか? つまり、中古マンション購入者側の判断基準に「マンション管理組合運営レベル」を加えさせる方が早い、と考えるのである。 そのために必要なことを挙げてみる。 1)不動産仲介業者の教育(啓蒙) (筆者自身も仲介業を経験し痛感しているのだが)仲介業の営業マンには、マンション管理組合や運営に関する知識経験がほとんどない。管理組合運営の重要性について認識のない人が中古マンションをナビゲートすれば、当然買い手も認識を持たなくなるため、結局は立地や日当たり、内装のグレードなどでマンションを選ぶことになる。 まずは不動産(流通)業界とマンション管理業界とが連携し、マンションの価値についての認識を一致させた上で、例えばみらいネット登録済みであることを仲介業者による広告(チラシやインターネット…みらいネットへリンク…・雑誌等)上に「みらいネット登録案件」であることを明示させるなど露出させることで、みらいネットの存在が明確になると同時に注目されるようになる。 2)マンション購入予定者の教育(啓蒙) 上記1)が実践できるにつれ、中古マンション購入者の物件を見る目も「住んでからの安心感・住み心地」をある程度想定できる材料となる「管理組合運営レベル」に変化してくるようになる。 3)(これが一番重要)みらいネットへの登録が不動産価格に反映される仕組み作り まずは「みらいネットに登録されている」と言うだけで査定ポイントを上げたるなどの(とりあえずの)優遇措置を講じることが必要となる。 みらいネットに登録すると言うことは、「マンション管理組合の内情を知られても良い」という管理組合(住み手)の強い意思表示と考えることもでき、管理運営に自信があるからこそできることである。 従って、まずは「みらいネットに登録されているだけでも十分価値がある」という文化を創るところからスタートすべきである。 次に、みらいネットへの登録管理組合数が一定数に増加した段階で、(理想は)仲介業者が、みらいネット内の実データからそのマンションの良し悪し(特徴・短所)を分析し、購入者にアドバイスできるようになることが重要となってくる。 しかし、実務上仲介業者は売り手と買い手の双方代理という「中立の立場に立ちづらい」側面がある。 そこで、仲介に介在しない第三者(例えばマンション管理士)が、購入予定者から中古マンション購入前の調査を請け負うような仕組み(文化)ができれば、マンション管理士がみらいネットの情報を引き出して分析し、購入者へアドバイスすることで購入者のマンションを見る視点を変えることができるであろう。 いくら管理組合に対し「みらいネットに入れ入れ」と言っても、具体的なメリットが見えない以上、強制でもしない限り加入数は増えない。むしろ管理組合の内情が評価され、価格にも反映される時代を作っていく過程で、みらいネットの価値を高め自発的な加入を促すほうが近道である。
(メルすみごこち事務所:深山州)
>> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップマンション管理組合において、輪番制で回ってくる理事会役員の役職決めは、その一年の管理組合活動の良し悪しに大きく影響してくる。もっとも、ほとんどの区分所有者はなるべく楽な役に就きたがるのが常である。 ところで、ここで言う「楽」とは、「仕事量の少ないこと」の他に、 ・総会などで大勢の管理組合員を前に説明する役(プレゼン能力) ・議事録や広報などの書類作成役(作文能力、パソコン技術) ・会計資料をチェックする役(数字を見る能力) など、自分の苦手分野に該当する仕事はしたくない、という想いもある。 また、 ・責任を取りたくない、責任ある立場を免れたい と考える人も多いであろう。
ところで、多くのマンションで上記のような負担から逃れられる役職がある。 それは、副理事長である。 副理事長とは、法律や規約では「理事長をサポートし、理事長不在時には代行する」役割を期待されている。 一見、理事長に次いで非常に重たい役職に見える。ところが実際は、理事長のピンチヒッターをする機会などほとんどない。総会の時期に理事長が長期出張したり、理事長が病気になったとき位であろう。 また、副理事長には具体的な仕事が定義されていない。 「会計理事」「駐車場駐輪場担当理事」「防犯担当理事」などの一般理事や監事の方が、よほど具体的な仕事を持っているのである。 しかし副理事長は上述のように外見上重みのある役職であり、何となく責任がありそうな雰囲気であるため、理事会活動の実務を何も知らない人は副理事長になりたがらない。 仮に私が理事会役員候補になり、「理事会役員など嫌で無関心で、できるだけ楽な役をやりたい」と思うなら、迷わず副理事長に立候補する。他の理事候補に喜ばれるし、自分も楽ができるからである(笑) 逆を言えば、副理事長に具体的な仕事を与えることで、理事長の負担が軽減されつつ一般理事の仕事も減り、理事会活動が活性化することがある。 では副理事長にはどのような仕事を与えると良いであろうか?
ひとつは、具体的な役職を割り振る(つまり兼務させる)ことである。 例えば小規模マンションで理事会役員が3~5名程度であれば、「書記」「広報」「渉外(町内会)」「防犯」「環境」などの役職をあてがい、「副理事長兼○○担当」とすると良い。 また、特定の役職は兼務させずとも、すべての理事のサポート役とするマンションもある。 つまり「何でも屋」である。例えば、渉外(町内会)担当理事が当月の自治会(町内会)に出席できない場合、副理事長が出席する、と言った具合である。 あるいは、通常理事長が務めることの多い「総会議長」役を副理事長にやってもらう、などの役割分担も可能である。この場合、副理事長になる人の資質が重要となる。(大勢の前で堂々と大声で話し、全体をうまく取りまとめる力) いくつか例を挙げてみたが、いずれにしても理事会実務の少ない副理事長を遊ばせておくのはもったいないので、理事長などの特定の役員の負担が集中しないような工夫をして頂きたい。 ところで、実は「副理事長に適任な人間」というものがいるのだが、どのような人が適任なのか? その回答は次回のコラムに譲ることとする。
(メルすみごこち事務所:深山州)
>> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップある日、「マンションの『バルコニー』って日本語でどういう意味だろう」と思い立ち、広辞苑で調べてみた。 …洋建築で、室外へ張り出して作った、屋根のない手すり付きの台。露台。バルコン。…広辞苑第五版より…
マンションのバルコニーからは、各世帯の生活の様子がうっすらと見えてくる。その世帯の集合体であるマンションの居住者像や管理組合そのもののイメージも想像することも難しくない。 私は不動産仲介業時代、中古マンション購入希望者を案内する前に、案内予定のマンションを下見し、外からバルコニー群を見て、そのお客様の「イメージ」に合っているかをチェックしたものである。 そこで、これから中古マンションを購入する方には是非、マンション選びのポイントの一つとして、「バルコニーを外から眺める」ことをお勧めし、見るべき点を以下に列記する。 また、現にマンションに住んでいる管理組合の方は、自宅のマンションが外からこう見られているんだ、と思い、何かの参考にしていただければ幸いである。
1) スパン(幅) ワンルームマンションかファミリータイプマンションかは、隣との仕切り板(パーテーション)の間にガラスのサッシュが何箇所あるかでわかる。1箇所しかないものはワンルームである。 ワンルームマンションを購入するつもりなら良いのだが、ファミリータイプ(2~4LDK)を探す場合、ワンルームタイプと混在するマンションはあまりお勧めしない。 ワンルームマンションは多くの場合、区分所有者が投資目的で購入し、自分では住まず賃貸に出すことになる。賃借人はマンション管理組合の運営や美観の維持などに興味が薄いため、専有部分だけでなく共用部分を汚く、乱暴に使われる可能性が高くなる。 また若い学生や日本の文化を知らない外国人などが入居すると、夜中の騒ぎや多人数の出入り、宗教の祈りや音楽などの音・振動が発生するため、ファミリー所有者とトラブルになることが多々ある。 (宗教は全く否定しないが、生活になじみのない物音がすることに注意したい) 2) 物置など大型物の設置 しばらく使わないようなものや屋外に置いておきたいような物品を専有部分に収納しきれず、バルコニーに大型の物置を設置して収納している住戸をたまに見かけることがある。 小型で、かつ手すり位までの高さで、キャスターの付いた可動式の物置であれば外から見えないが、大型になるとバルコニー群の中で異彩を放つことになる。 さて、マンションにおいてバルコニーは、各区分所有者が所有する「専有部分」(お部屋)にくっ付いているため、専有部分と同じで所有権に思えてしまうが、法律上は「共用部分」(管理組合全体の所有物)となる。従って、バルコニーは自分しか使えなくても物品を勝手に設置してはいけないことになっている。 バルコニーを所有権にしなかった理由は、 ・いざと言うときの「避難経路」としての役割があるため(隣住戸との仕切り板(パーテーション)を破って逃げるのに、板の向こう側に設置された物置がおいてあると逃げられなくなる。) ・マンション全体の統一感(美観)を保つため とされている。 大型物置を設置している住戸の多く存在するマンションを見ると、 ・築年数の経過している(築20年以上…マンションのルールに関し情報がなかった時代の)マンション ・居住者全体として鷹揚である ・管理組合のルール(管理規約や使用細則)は細かくなく、また細かくても実際の運用は厳格に適用していない ・ルール(管理規約や使用細則)に対する区分所有者の理解が低い ・防犯や危機管理に対する理解が低い ・美観に対する関心があまりない ・物置を設置している所有者が管理組合内で権限を持っており誰も強く言えない と言った傾向を読み取ることが可能である。 ※湘南地域の海に近いマンションではサーフボードがバルコニーに立てかけてあるのを見かける。風物詩のようで微笑ましいが、ルールの確認をしておいたほうが良さそうである。 3) 布団や洗濯物 ヨーロッパの建物にはバルコニーのないところが多く、路地裏に建つアパートの窓から道路を挟んで前のお宅の窓に紐をかけ洗濯物を干したりしている。日本人からみると生活観のある素敵な景色に映るであろう。 さて日本ではどうであろうか。 割と下町の、(超高層を除く)マンションが並ぶ地域では、晴れた日になると各バルコニーから一斉に布団や衣服が干される。ある意味「日本の都会の風景」として定着しているのかも知れない。 一昔前のマンションだと、天井から吊り下げ式の物干し竿架けがついており、竿には多くの洗濯物が干されている。また格子状の手すりがバルコニーの中を丸見えにしている。 一方、ここ10年くらいに分譲されたマンションでは、バルコニー壁がコンクリートになり、壁の内側に(壁が陰になって外から見えないように)洗濯物を干せるようになったが、日本人特有と言うか、「布団をお天道様にしっかりと当てて干したい」と言う考えが根付いているため、特に布団や毛布をコンクリート壁にダラーンとかけて干している人も結構多い。 ここのポイントでは「ルール違反かどうか」を杓子定規に言うつもりはない。ただ美観や美的センスをマンション購入のポイントに挙げる方なら、大事なチェックポイントになるであろう。 高級を謳い文句にするマンションや高級な住宅街に佇む低層マンションでは、布団干しどころか洗濯物の姿も殆ど見かけない。このようなマンションを購入し布団をバルコニー壁に垂れかけたら、管理組合から即日苦情がくる、と思って間違いないであろう。 4) 花(プランター)などの植物 バルコニーにあらかじめ花台が設置されていて、そこに四季折々の花を咲かせているお宅の多いマンションが稀にある。ヨーロッパの古い街並みでは当たり前の景色でも、日本のマンションではなかなかお目にかかれない。花台が無くても、下に落下しないよう配慮して花を綺麗に「魅せている」ところもある。 花の手入れは結構大変で、しかも綺麗に咲かせる期間は短いから、ちょくちょく購入する必要がある。バルコニーから花が見える多いマンションからは、 ・ファミリー(家族)住まいが多い ・美観に対する意識が高い ・居住者の所得層が比較的高い といったことが推測できる。 一方、花や植物に熱心で周囲への配慮に欠けるお宅を隣に持った場合、枯れた花や土が飛散したり水が階下へ落ち洗濯物が汚れるなど、ちょっとした居住者間のトラブルに発展する可能性もある。また、時には花に蜂などの昆虫が植物に戯れるため、虫嫌いな方には注意が必要である。 5) カーテンと室内照明 カーテンのデザインやかけ方一つで、そのお宅の雰囲気を察することができる。シックでおしゃれなカーテンを整然と閉めていると、きちんとした佇まいや清潔さ、高級感を想像させる。 また、室内の照明からも雰囲気を感じ取ることができる。例えば、バルコニーに面した部屋に和室があると、どうしても真っ白な蛍光灯を使う家庭が多いであろう。昭和の年代に建てられた専有面積40~60㎡平均のマンションでは、バルコニーが(和室の)白いライトと(リビングの)ベージュのライトで入り混じり、照明が作る美観は期待できない。(各家庭の事情なので仕方ない部分である。) しかし最近のマンションは和室が不人気なのか、洋室で構成された部屋が多く、真っ白な蛍光灯よりも暖色系の白熱灯(白熱色蛍光灯)を多い、バルコニーからベージュ色のやわらかい光が漏れ、安らぎやゆとり、そして不思議と高級感を感じるものである。(私だけであろうか?) 6) 部屋から聞こえる声・音 夏の暑い日にサッシュを開け放して、テレビの音や家族の笑い声などが聞こえるお宅は、割とオープン・開放的・庶民的といった印象を与える。 その一方で、あなたがマンションを購入し、夏の夜に熱くて窓を開けると、パーテーションの向こうから夫婦喧嘩や犬の鳴き声、プロ野球中継の音声が聞こえてくる、、、という可能性もあり、静かに暮らしたい方には不向きかもしれない。 7) テレビ・ラジオ・無線等のアンテナ 各部屋のバルコニー壁面に白・黒の円形アンテナが設置されているマンションを多く見かける。 BS・CS放送のパラボナアンテナである。 マンション共用部分の設備として、共聴(テレビ)設備がある。一昔前まではVHF・UHFだけが用意されていれば問題なかったものが、BS放送が開始され別途アンテナが必要となり、さらにCS放送もスタートしたため、マンションの屋上にBS・CS共用アンテナが設置されていない場合、各自がアンテナを立てないとこれらの放送が見れなくなるため、仕方なくバルコニーに個別アンテナを立てている、というのが現状である。 BSアンテナは普及しているため、多くの管理組合では条件付でBSアンテナをバルコニーへ取り付けることを許可しているようだが、閑静な住宅街に佇むマンションの場合、美観を重視する目的で使用細則にてバルコニーの使用方法を厳しく規定し、実際に運用しているところもあるので、注意が必要である。 ところで、最近話題の「地上デジタル放送」の2011年スタート(アナログ放送の終了)に向け、築年数の経過しているマンションでは既存のアンテナや増幅器・配線まで交換する必要がある。 そこでマンション管理組合としては、この機会を利用しBSデジタル・CSなども共用部分の改良(グレードアップ)のひとつとして地上デジタル対応と合わせて取り組むことをお勧めしたい。 改修工事後、各戸のバルコニーに設置されたパラボナアンテナは不要になるため各自に撤去してもらい、美観のを回復しておきたいところである。
上記の通り、バルコニーから見えてくるものから、様々な洞察力を働かせることが可能である。 これらは一口に「マンション管理の良し悪し」として考えることも可能であるが、これから中古マンションを購入する人にとっては、「自分達の生活観とマッチした人たちが住んでいるか」と言う点からバルコニーを見ていくと、購入後の精神的な「すみごこちの良し悪し」をある程度想定することが可能であろう。是非お試し頂きたい。 ただし、長時間バルコニーを見ていると不審者と間違われるので要注意である。
(メルすみごこち事務所:深山州)
>> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップ分譲マンションの共用部には必ず保険が付保されています。それはなぜでしょうか? マンションには共用部分と専有部分があり、専有部分については各区分所有者の責任において保険に加入します。一方、共用部分は全区分所有者が共有する部分になっており、その維持管理の主体は管理組合です。 マンション標準管理規約(国土交通省)でも、共用部分の火災保険その他の損害保険に関する業務は「管理組合の業務」としており、多くのマンション管理規約には、共用部分の火災保険等の損害保険を契約することは管理組合の業務と定めています。 現状、殆どの管理組合で「火災保険(掛捨もしくは積立)」「施設賠償責任保険」は必ず加入しており、最近では「個人賠償責任保険」にも加入するケースが増えています。
※火災保険 「マンション総合保険」や「住宅総合保険」という名前の保険です。一般的には、火災・落雷・破裂・爆発・風災・ひょう災・水濡れ、物体の落下・飛来・衝突、その他破損汚損の事故による損害を補償します。更には、臨時費用・残存物片付け費用・水漏れ調査費用などの費用保険も支払われます。 但し、補償内容は、保険の種類・特約の付帯の有無・保険会社等によって違いがありますご注意ください。 また、補償内容が同じでも、保険期間が1年(長期一括払いの場合もある)の「掛捨」と運用と補償を兼ね備 えた「積立」があります。 「積立」の場合の満期返戻金は非課税で、かつ長期払いになっているので、1年あたりの保険料は割安ですから、組合会計に余裕があれば、検討するのも良いでしょう。 ※施設賠償責任保険 マンション共用部分・共用設備の欠陥や管理の不備が原因となり、他人(第三者・居住者)に怪我をさせたり、 第三者の財物を壊すなどして管理組合が法律上の賠償責任を負う場合に補償されます。最近は、マンション総合保険の特約として付帯する場合が多いです。 ※個人賠償責任保険 マンション内でおこる専有部分の配管から階下への水漏れ事故等、日常生活に起因する偶然な事故に備えて、区分所有者や賃借人を賠償事故から守る為の保険です。これも、マンション総合保険の特約として付帯する場合が多いです。 ※地震保険 地震による火災や倒壊の場合、火災保険では補償されません。地震保険は単独では加入できませんので火災保険とセットで加入することになります
皆さんが居住するマンションでは、恐らく共用部分に保険がかけられていると思います。 でもその内容は本当に問題がないでしょうか?ここでは、よくある問題をいくつか挙げてみましょう。 1)本当に必要な保険に加入していない。又は費用対効果を考えた場合不足もしくは無駄がある。 →(例)「機械保険」は本当に必要ですか? 2)加入している保険が適切ではない。 →(例)まだ旧型の「住宅火災保険」に加入し続けていないですか? 3)マンションのニーズに適していない。 →(例)「個人賠償責任保険」は付保されてますか? 4)適切な保険金額でない。 →(例)算出根拠となる数字・数式は適切ですか? 5)万が一の事故の際、十分な保険金が支払われない。 →(例)水漏れ事故の場合も補償されますか? 6)保険料が妥当ではない。 →(例)積立保険等を検討する必要は? など、チェックのポイントはいくつもあります。
ここで具体的なチェックの方法の一部を紹介します。まず、共用部分の保険証券をお手元に準備 して、現在加入している保険の内容を洗い出し、正しく付保されているかを確認しましょう。 1)全ての契約は管理組合名でなされていますか? →新築時、管理組合が成立し理事長が決定するまでの間、管理会社の名前で加入することが多く、理事長が選出されても変更しないケースがありますので要注意です。管理会社名の場合にはすぐに変更しましょう。 2)火災保険について、保険証券に記載されている面積・構造等に誤りはありませんか? →竣工前の(設計上の)数値が書かれていることがあり、その後の変更が反映されていない場合があります。 3)補償内容と保険金額の確認ができていますか? →総合的な保険に加入しているでしょうか?保険金額の算出根拠となる数値は現状にあっているか調べましょう。 4)施設賠償責任保険について、保険証券に記載されている面積・構造等に誤りはありませんか? →竣工前の(設計上の)数値が書かれていることがあり、その後の変更が反映されていない場合があります。 5)施設賠償責任保険について、算出根拠の面積に必要な箇所が含まれていますか? →マンションの敷地内にある棟以外の共用施設・設備が含まれていないケースもあります。 以上は一般的なチェック方法であり、実際には各マンションにより異なりますのでご注意ください。その他、加入済みの保険が実際には必要か否か、更に加入すべき保険はないのかの確認も必要です。
共用部分の保険は、通常マンションの竣工前に保険加入の手続きがなされ、その内容については管理会社もしくはディベロッパーが決めています。更に契約満期手続きの際、保険の内容を見直さなかったり、総会資料などに証券の写しを添付せず区分所有者へ説明する機会がない場合が多くあります。 更に、保険というのは専門性が高い分野であり、説明をうけても大変わかりずらく、また、マンション管理会社 の担当者はあくまでも管理の専門家であって、保険の専門家でないことが多いのが現状です。 マンション保険は、過剰につけると保険金額までは補償されないため保険料の無駄ですし、過少ですと例え損害額が保険金額を超えない場合でも比例填補され、損害額全額が補償されない場合があります。いずれにしても保険は過不足なし、が大切です。 この機会に現在加入している共用保険がマンションの現状に則しているかどうか、第三者の専門家に依頼することをお勧めします。
(メルすみごこち事務所:池田珠美) >> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップ
まず私が言う「小規模マンション」とは、管理人のいない程度の規模を指し、総戸数が概ね40戸以下のマンションをイメージしている。またこのコラムではファミリータイプ(家族向け)のマンションに限定して話したい。
小規模マンション管理組合から寄せられる相談で最近増えてきたのが、 「現行の管理会社から管理委託費の大幅な増額」 「増額が無理なら委託契約の解除」 を一方的に打診され困っている、というものである。 今まで当たり前の様にサポートしてくれた管理会社が突然いなくなるという、マンション管理実務を管理会社へ依存してきた管理組合(マンション所有者)にとっては緊急事態である。 神奈川県のとあるマンションは世帯数が20戸弱と、小規模の中の小規模で、管理組合はしっかりと機能しており、毎月の管理費支出について興味・関心を持っている所有者が多く住んでいる。 管理会社にとって、上記のような小規模マンションはうまみ(利益率)のないのが現実である。管理委託収入は少なく、それ以外の収入は見込めず、大規模修繕工事も相見積りで他社に持っていかれ、さらに理事会から細かなサポート依頼の多いマンション、、、 管理会社としては、「このマンションでは今後も仕事ばかり多くて利益が出ない」と判断し、管理会社の側から「積極的な解約」を提案してきた、と容易に想像することができる。 この「管理会社の側から解約を申し出る」傾向は、特に大手ディベロッパー系管理会社で最近増えつつあり、女房役の「夜逃げ宣告」に頭がパニックになった管理組合から相談が寄せられるのである。
最近、大手管理会社=管理サービス品質が高い・対応が良い、という図式はあまり成り立たない事を実感する。 特に小規模なマンション管理組合に対しては、かなりいい加減な対応をしているところがあることを肌で感じることが多い。 「お宅のマンションは小規模で利益も少ないから、真剣にやらない」 管理組合役員からの不満を聞くにつれ、管理会社の上記のような声が聞こえてくるような気がする。 とある大手管理会社では、上層部の方針で「小規模マンションで利益率の低いところはこちらから解約をしていく」と言う戦略を立てている。 また、管理会社からの積極的解約にまで至らなくても、フロントマン(マンション担当者)が意図的に理事会開催の頻度を少なくし、仕事を増やさないことで利益率の向上を目指そうとする現場も沢山見てきた。 「こちらは小規模マンションで検討議題や動きもないですから、皆さんの負担になる理事会をマメに開く必要はありません。理事会は何か起こったら我々管理会社から召集をかけますからご安心ください。それとも3ヶ月ごとにやりますか?いや半年毎、いやいや総会だけでも良いですよ、、、」 と、こんなことを平気で言うフロントマンもいる。 マンション管理に無関心な所有者の多いマンションでは、理事会を定期化していないところが多い。(無関心な管理組合にも重大な責任があるのだが) 確かに、500戸のマンション管理を一件受注すれば、25戸のマンション20件分である。手間隙は20倍はかからず、せいぜい4~5倍程度であろう。 どの世界でも当たり前だが、スケールメリットを活かせる大規模マンションの方が管理会社にとっても効率が良いのである。
上記に関連し、小規模マンションが共通して抱える大きな課題として「財政問題」がある。 小規模マンションの場合、一世帯当たりの修繕積立金を大規模マンションに比べ多めに徴収しておかないと、修繕資金が不足しハード面(建物・設備)の劣化を進行させてしまう。またハード面の改良(グレードアップ)に投資することが全く出来なくなり、「座して老化・陳腐化を待つ」しかなくなる。 また、必要経費である修繕積立金を少しでも多く貯蓄するために、一般会計(管理費会計)は常にギリギリ(余剰なし)で設定せざるを得なくなり、所有者間でコミュニケーションを取るためにお金を使うことができず、結束力が弱まっていくなど、ソフト面においても「劣化」の進行する可能性が大きくなる。 小規模マンションが抱えるもうひとつの課題として、「頭(頭脳)の数が少ない」ということが挙げられる。 所有者はそれぞれ本職を持っており、建築・設備・財務・法務などの専門知識を必要とする職場で働く(経営する)人がいれば、管理組合活動に大きなプラスとなる。しかし小規模マンションの場合、その率が少なくなり、素人率が上がってしまうのは否めない。 一方で小規模マンションには大規模マンションにはない長所がある。 ひとつは、所有者間のコミュニケーションが大規模マンションに比べ取りやすく、団結力が生まれやすいと言うことである。つまり近所づきあいしやすい環境がある、と言うことである。 500世帯マンションで10世帯と近所づきあいしているよりも、25世帯のうち10世帯と交流があるほうが、本人としては「所有者間のつながり感」を持ちやすいだろう。 またもうひとつの長所は、管理組合としての意思決定スピードの速さである。上記のコミュニケーションのとりやすさと説得する人数の少なさが、短期間でマンションの方向を決めることができる。要はスピーディーに対処できると言うことである。 さらには、こじんまり感が強く館内が静かであったり、当然として共用部分(館内・敷地)がコンパクトに作られている場合が多く面積も少ないため、防犯や美観向上などのグレードアップ工事などについては小額を一点に集中して投資するだけで効果が現れやすいなどの長所を持っている。 世の中の流れが「大規模化」「超高層化」に傾倒しているが、小規模マンションには意外と魅力が多い。如何にして長所を活かし短所を補っていくかがポイントとなる。
事例(1) 管理会社へ最低限の仕事だけを依頼するマンション このマンションは、私が以前に勤務していた某管理会社(営業所)の担当していた100管理組合の中で唯一、『会計・出納業務のみ』を委託していたマンションである。 元々は管理会社による一括「お任せ」管理だったのが、所有者間で「管理委託費に割高感がある」「自分たちでもある程度はできるかもしれない」「将来の修繕積立金不足を解消したい」と言う機運が高まり、管理会社には必要最低限の仕事を任せ、あとは自分たちで対応することとした。 ちなみに、こちらのマンションが管理会社へ委託している業務は、『会計』つまり管理組合の収支計算と、『出納』すなわち管理費等の徴収(銀行からの自動引き落とし)や経費の支払い処理等の、お金のやり取りに関する部分だけである。これらの業務は自分たちで実施するのが面倒で、且つ透明性を重視すべき業務であるために管理会社へ委託してるが、残りの作業はすべて管理組合で実施するやり方を取っている。 私の当時の上司は「確かに理事会には行かなくて良いし年数回の資料提出程度が仕事だから手間はかからない」と話していた。 「しかしこのマンションから他のビジネスチャンスはない」とも言っていた。 その話を聞いて、「これは小規模マンションのお手本では」と感じたものであった。 完全な自主管理は色々と面倒なことがあるけれど、必要最低限の業務を管理会社へ委託するということが、管理費の節約と区分所有者間のコミュニティ能力向上(自分たちでやると言う共通意識の醸成)の大きな要因となることをこのマンション管理組合は示唆している。 事例(2) マンション管理士等のコンサルタントを入れ知識経験を補充しているマンション 上記の事例(1)では、「実際の管理組合運営ノウハウ」や「大規模修繕工事」などの専門性を有する問題をどう解決するのか、と言う問題がある。確かに管理会社への支出は抑えたいが、彼らはそれなりの知識・経験を併せ持っているだけに、管理会社に会計・出納以外を依頼できないとなると、専門性の欠如は否めない。特に上述の「小規模マンションの短所」にも書いたように、頭脳の絶対数が少ないため、所有者の中でマンション管理に関連する知識・経験を持っている人の率が下がってしまう。 そこで事例(2)では、「管理会社に委託する業務を限定する」のと同時に、「プロのコンサルタントを顧問に迎え、サポートを受ける」これがポイントとなる。 管理会社に委託する業務を限定しコストを削減する。削減されたコストを使い「管理会社でない、中立な立場の第三者」を採用することで、適正なコストと専門家の知恵を得ることができる。 わざわざコンサルタントを採用しなくても、管理会社のサポートが得られれば十分ではないか?という意見もあるだろう。確かに経験豊富で誠実な管理会社のサポートは心強いし、ペーパードライバーのようなマンション管理士ではコンサルタントを務めることはできない。実際にそのようなマンション管理士の多いのが現状である。 しかし、コンサルタントを採用するメリットは、「管理会社ではできない提案」を受けることができる点にある。管理委託費削減や管理会社の業務履行確認、是正要求などである。 その他、管理会社の社員の多くは、マンションを「建物・設備の維持」の観点でチェックする習慣を持っており、「居住者がより楽しく快適に」住まうことができるような「ソフト面」「美観」などに関するセンスを持ち合わせない担当者が多い。 管理会社に委託する業務を限定し、信頼できるコンサルタントを顧問として採用する。できれば顧問の提案で一般管理費コストや修繕コストの精査(削減)のアドバイスが得られれば、財政赤字の改善に一層の効果を発揮し、「賢い小規模マンション」に向かって進むことができるであろう。
一方で管理組合側に目を向けてみると、管理組合の熱心度によって、マンションを大きく3つに分類することができる。
まず1.は、都心部の築20年以上の小規模マンションにこの傾向がある。 1.に該当するようなマンションでは、上述の財政問題を解決すべく無駄な支出を抑えるどころか、管理に関する無関心が災いしてすべての管理業務(管理組合がやるべき業務でさえ)を管理会社へ「盲目的にお任せ」している。当然管理会社が用意する提案や見積はすべて承認(黙認)され、高経費体質が続くことになるため、ますます財政困難になっていく。 しかも築年数が経過し所有者の高齢化が進んでいるため、短所を見直すパワーや気力がないのも問題である。 一方で2.は、一部の区分所有者がマンション管理の面白さに目覚め、管理会社のちょっとした対応に不満を抱き、何でもクレームを付け、管理委託費の「闇雲な値下げ」を要求し、最後には「自分たちだけでマンション管理運営はできる」と、管理会社への委託を全面的にやめて「自主管理」に移行していくところが多い。 上記のように強引に自主管理へ移行したマンションでは、管理会社への支払いが全くなくなるため、確かに日々の支出が減り財政問題は改善に向かう。 しかし同時に、「自主管理」の小規模マンションには、別の様々な問題点が出てくることが多く、私はお勧めしていない。(自主管理については後日コラムを書きリンクを貼ります。) 当然として、上記の中では「3.全体的に程よくコミュニケーションが取れている管理組合」が理想的である。
最後に「賢い小規模マンション」になるためのポイントをまとめてみた。
結局「賢い小規模マンションになるためには、十分なコミュニケーションを大前提として、財政問題をいかにクリアできるかにかかってくるのではないか。上記のポイントを抑えることで、小規模マンションの弱点を補いつつ大規模マンションにはない長所を最大限に発揮して、「資産価値」と「住み心地」の将来的な向上が確保されるであろう。 (メルすみごこち事務所:深山 州)
>> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップまず始めに、マンション管理士制度は、平成13年8月に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」によって国家資格として創設された。マンション管理士は、試験に合格し国土交通大臣の登録を受け、マンション管理士の名称で区分所有者や管理組合の役員、理事長の相談に応じ、専門的な助言、指導、援助等を行うことを業とする資格者である。
数年前まで、マンション管理組合が頼るべきアドバイザーは「管理会社」だけであった。しかし日常管理運営における担当者の提案能力不足や諸工事に対する見積の「高額・不透明」、管理組合が預けていた管理費等の使い込みなど、多くの疑問が沸き起こり、トラブルも増えてきたため、「管理組合の立場で」アドバイスできる人材の必要性が高まり、国家資格であるマンション管理士制度ができて今日に至っている。
財団法人マンション管理センターのホームページ内に全国のマンション管理士団体一覧が掲載されているので、地元のマンション管理士を紹介してもらうこともできる。 ※財団法人マンション管理センター
私自身、この制度の趣旨には大賛成である。しかし、全国に散らばるマンション管理士がマンション管理組合から受け入れられているかと言えば、残念ながら答えは「全くのNO」と言えるであろう。管理組合が求めるマンション管理士と実際の資格取得者とでは相当なギャップがあり、頼れるマンション管理士はなかなか見つからないのが現実ではないだろうか。
そこで、多くのマンション管理士に共通の問題点を以下に述べてみる。
1)絶対的な経験不足
ただ国家資格を持っていれば管理組合のアドバイザーになれるかと言うと、全くそうではない。ペーパー資格ホルダーや経験の少ない管理士の非常に多いのが現状である。 例えば、同じ士業でも弁護士や公認会計士などはどうであろうか?彼らはその仕事で世の中の役に立ちつつ生涯収入を得ることを目的として試験に臨み、独立するために一定レベルの実務期間を必要とするため、客から問い合わせを受ける頃には一人前の力を持っている。 ところがマンション管理士の場合、合格率は7%とかなりの難関であるが、上記資格ほどの試験レベルでないこともあり、受験者の多くが
「自宅マンションで理事会役員を経験した」 「マンション管理に興味がある」 「資格を持っておけば飯が食えるかも」
という程度の認識で試験に臨み、免許を取得している。 受験者・合格者を年齢分布で見ると50代、60代に非常に多いのが特徴で、自宅マンションの理事経験を経て受験している人がとても多い傾向にある。残念ながら、これらの資格取得者では他の管理組合の戦力にはならないだろう。 マンション管理と一口に言っても、組合運営の実務から建築・設備・法務・そして理事会役員間の(人間関係の)調整に至るまで、幅広い知識と多数のマンションでの豊富な経験、ケースバイケースで対応できる柔軟性、高度な会話力、洞察力が必要となってくる。自宅マンションの理事を経験した程度で即、他マンションの役に立とうというのでは難しい。 ※マンション管理会社の社員が勉強で取得するケースも多い。こちらは実務経験を多く積んでいるものの、立場上「管理組合の立場に立ってアドバイスする」という管理士の趣旨とは異なるために、現実的には自社管理のマンション以外で役立つことは出来ない。
2)冷静な聞き役に回れない管理士が多い
自宅マンションで理事会役員を歴任し、マンション管理の重要性や面白さに目覚め自信をつけている資格取得者に多いのが、自分の持っている知識の範囲で『こうあるべき』と一方的に決めてかかってしまうことである。 自信家であることと、良かれの気持ちが強い性格の人に多い。
管理組合が抱える課題に対し、費用対効果やリスクリターン・置かれている状況などによって2~3の提案を用意すべきであるにもかかわらず、自分の成功体験を全面に押し出し「これがベスト」と推進しようとする。要は押し付けがましいのである。私が今までに出会ったマンション管理士はこのような性格の方が多かった。
3)費用対効果の説明ができない
マンション管理士を採用したい管理組合の側からすれば、実はこれが最大の壁ではなかろうか。 理事会役員が信頼できそうなマンション管理士を見つけ、区分所有者に採用を諮ると、多くの場合、
「採用してどれだけの効果があるのか?」 「管理会社がいるのに、何故別の人間を採用するのか?」 「無駄遣い(管理費の値上げ)はして欲しくない」
との声が上がってきて紛糾する。中には普段から理事会へ注文をつけるような人が、 「管理士などいらない、私が顧問になろうか?」 としゃしゃり出てくることもあろう。
特に、将来的な修繕積立金の財政赤字が問題のマンションでは、「費用対効果が数字で表れにくいもの」に支出すべきではない、との意見に押されてしまうことが多い。 理事会はマンション管理士の必要性について、区分所有者への明確なアカウンタビリティ(説明責任)があるため、強引にこぎつけない限り採用は否決されてしまう。 (もっとも白紙委任状ばかりが集まる無関心所有者の多いマンションであれば別である。)
要は「お金」である。
特に日本では、コンサルティングという「目に見えない」「将来的に費用対効果が産まれる」ようなサービスに対して、価値を理解されにくい傾向がある。しかも弁護士のように認知されていない資格のため尚更である。 またマンション管理士の側にしても、管理組合がコンサルティングを受けるメリットを大勢の目の前で十分にアピールできないと言う、知識経験とは別の「営業」的な部分での問題も大きいのではなかろうか。
では、管理組合に求められるマンション管理士像とはどのようなものか、自戒の念も込めて自分なりに考えてみた。
1)マンション管理会社2社に勤務経験がある …管理の実務、業界の表裏を把握している人は管理組合にとって心強い。 特に、大手と中小の管理会社、分譲系と独立系、といった毛色の異なる2社を経験していると、 かなり柔軟なアドバイスが期待できるであろう。
2)少なくとも10棟以上のマンション管理組合でコンサル実績がある …多種多様なマンションを経験していないと柔軟に対応できない。 大規模や小規模、超高層、団地、投資型、とバラエティに富んだ実績があるとなお良い。
3)特定の分野に強いことよりも、各分野の専門家の人脈がある …マンション管理の実務は範囲が非常に広い。そのため「法律には強い」「会計には自信がある」「建築にはうるさい」と言った狭く深い知識経験を持っているよりは、信頼できる専門家のネットワークを持ちあらゆる問題に対し柔軟に対処できる力の方が重要である。
4)聞き上手である …まずは管理組合の悩みや課題をじっくりと聞けることが大切である。聞き上手は信頼を勝ち得ることができる。また、困っている状況を上手く話せない人も多いので、自分で状況を的確に把握するためにも、じっくりと聞く力が欲しい。
5)説明(会話)能力がある …管理運営の素人である理事会役員や区分所有者に対し、専門用語を極力使わずシンプルに説明できること、これも大切である。 また自分を売り込む「営業」的な意味でも、この能力は必要である。
6)管理費等の収支について精査するノウハウを持っている。 …コスト削減提案能力を持つことは、財政赤字に悩む多くのマンション管理組合の味方になるであろう。ただし資格を振りかざし、管理会社へ根拠の無いコスト削減を迫るマンション管理士やコンサルタント会社はNGである。 コスト削減ができれば、その削減分をマンション管理士採用費用に当てるという流れが作りやすく、区分所有者の支持が得られやすくなる。実際に仕事を得たいマンション管理士にとって、導入部では最も必要な能力かもしれない。
7)管理組合活動を多くの区分所有者に楽しんでもらうことができる …これは絶対的な条件ではないが、理想のマンション管理士像を追及するため私が心掛けていることである。 マンション管理の主体は管理組合員(区分所有者)である以上、客体であるマンション管理士はサポートすることが本分であるが、単に専門知識を持って臨むだけでなく、自分が関わっているマンションが住民にとって「住み心地良い」「人に自慢したい」ものになるよう導くことが大切なのではないであろうか。 十人十色のマンション居住者を相手に実践するのは至難の業であるが、永遠のテーマとして追及していきたいし、追求して行ってもらいたい。
上記理想条件を少しでも多く併せ持つマンション管理士を迎えることで、あなたのマンションの管理運営レベルは向上し、「資産価値」と「住み心地」の将来的な向上が確保されるであろう。
(メルすみごこち事務所:深山 州)
>> お問い合わせ・ご相談はこちらから ▲ ページトップ