2013.6.11~メルマガ第36号~
【今回のお題:管理費を下げたい その前に7『アンケートにもルールがある(2)』】
これまでのコラムでは、
・マンション管理組合における合意形成のスタートは
「何が問題で」「どうすべきなのか」のストーリー作りが大切
・説明は論理的な内容だけでなく、感情的な訴えも必要
・説明内容もさることながら『誰が説明するか』も大切
・広報は『インパクトのあるものを』『こまめに』『連載もので』
・住民へのアンケートにも2つの手法がある
を書きました。
○2つのアンケート手法にはメリット/リスクがある
前回コラムで、ひとくちに住民アンケートといっても2つの手法があり、
① 賛成か反対か、具体的な意見がないかを聞きたいためのアンケートでは、
・居住者へ率直な意見を聞き、集まった集計結果や意見を理事会としての判断の拠りどころとする
・前提となる事実情報や条件をなるべく細かく載せることが回答者の正しい判断につながる
② 理事会として進みたい方向が決まっていて、賛成してもらいたい場合に実施すべきアンケートでは、
・なるべく多くの賛成の声を得ておくことが理事会として推進させるための拠りどころとなる
・前提となる「事実情報や【条件】にプラスして、理事会として推奨する理由や根拠・経緯・メリット」、そして「賛成して欲しい」というコメントを載せることがアンケート回答者の賛成につながる
と書きました。
※参考に「アンケートにもルールがある(1)」へ戻る場合はこちらをクリック!
①賛成か反対か、具体的な意見がないかを聞きたいためのアンケートのメリットとリスク
【メリット】
賛成か反対か、具体的な意見がないかを聞きたいためのアンケートでは、何と言っても
・純粋な民意を把握することができる
というメリットがあります。
アンケート結果を反映させた活動を理事会が行えば、理事会が非難されることは少ないでしょう。
【リスク】
一方で、賛成/反対の数が拮抗した場合、または回答数が少なく民意が汲み取れないと判断した場合、理事会としてどちらにも動けなくなり、結論を先送りにしてしまうリスクがあります。
そもそも、
理事会役員が判断に迷うような課題なのですから、純粋に賛否を問うアンケートをとっても賛否が分かれる結果となる可能性が高くなると考えられます。
また、理事会役員が判断に迷うような課題に対しては、賛成と反対の割合が6:4であっても7:3であっても、少数派の声に敏感になるあまり決断ができない、と言うことも考えられます。
特にアンケート内容に反対する少数派には具体的な意見(コメント)を書く方が多く、理事会役員には実際の数以上に心理的な影響を与えます。
結果この①の手法は、民意が反映された声が集まる代わりに、理事会として方向が決めにくいリスクを持っている、と言えます。
②理事会として進みたい方向が決まっていて、賛成してもらいたいためのアンケートのメリットとリスク
【メリット】
理事会として進みたい方向が決まっていて、賛成してもらいたいためのアンケートでは、何と言っても
・アンケート内容に余程の偏りがなければ多くの賛成を得る=推進することができる
というメリットがあります。
アンケート結果を反映させた活動を理事会が行えば、理事会が非難されることは少ないのは①と同じです。
また回答数が少ないと民意が汲み取れないと判断する①よりも、②のアンケート手法を取る理事会は
課題に対して推進したい意思が明確なので回答を多く集めようとするでしょうし、
回答が少なかったとしても「回答者の多くが賛成であったため」として推進することとなります。
【リスク】
他方、 『誘導・強引を疑われる可能性がある』というリスクがあるということです。
理事会が協力に推進したい内容へ賛成してもらうことが目的なので、
どうしても誤解を招く可能性が否定できません。
このように、理事会が推進したにもかかわらず賛成と反対とが拮抗した場合は強引に
進めないほうが良いでしょう。よほど民意を得られない愚案である、ということになります。
最後に
合意形成のためのプロセスとしてアンケートは『正しく』使いましょう。
民意の反映が第一なのは言うまでもありません。
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次回以降のメルマガでは、合意形成を促進するために
37号 先輩への気配りを忘れずに
38号 総会の出欠票は「取りにいくもの」
39号 議案の中身も説明者次第
について書いていきます。
・論点整理から合意形成を支援して欲しい!
・いますぐ合意形成をはかり問題解決しなければならない!
・隔週のメルマガは待っていられない!
と言う方は気軽にご相談下さい。
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以上、「メルマガ編集者のみやちゃんに尻を叩かれまくっている」深山州でした!