2013.5.28~メルマガ第35号~
【今回のお題:管理費を下げたい その前に6『アンケートにもルールがある(1)』】
これまでのコラムでは、
・マンション管理組合における合意形成のスタートは
「何が問題で」「どうすべきなのか」のストーリー作りが大切
・説明は論理的な内容だけでなく、感情的な訴えも必要
・説明内容もさることながら『誰が説明するか』も大切
・広報は『インパクトのあるものを』『こまめに』『連載もので』
を書きました。
○アンケートを実施する2つの目的とは
例えば…
あなたが理事長としてある課題を抱えていて、居住者(組合員)にアンケートを取るとします。
ところで、アンケートを取るには次の2つの前提があります。
2つの目的がある、と言って良いでしょう。
① 賛成か反対か、具体的な意見がないかを聞きたい
或いは
② 理事会として進みたい方向が決まっていて、賛成してもらいたい
同じアンケートでも、①と②では全く異なるアンケート手法が必要となります。
しかし理事会役員が自ら作成するアンケートや管理会社が作成するアンケート素案の多くが、
①と②との違いがわかっていても、アンケート手法があいまいになっているために
回収された集計結果を見て混乱してしまいます。
たかがアンケート、されどアンケートです。
○アンケートにもルール(手法)がある
① 賛成か反対か、具体的な意見がないか?を聞きたいためのアンケートでは、
「右へ行くべきか、左へ進むべきか、動かないべきか」の判断が付かないような課題があった場合、
居住者へ率直な意見を聞き、集まった集計結果や意見を理事会としての判断の拠りどころとします。
したがって、この手のアンケートをとる場合、前提となる事実情報や条件をなるべく細かく
載せることがアンケート回答者の正しい判断につながるため重要となります。
ここでは理事会役員の「考えや想い」は一切排除して、「事実」を載せることが重要です。
そして、回答欄は「賛成/反対/わからない」といったものに加え意見欄を大きく設け、
積極的なコメントを求めることもポイントです。
一方で、
② 理事会として進みたい方向が決まっていて、賛成してもらいたい場合に実施すべきアンケートでは、
「理事会としては一方の方向で進んだほうが(管理組合利益のために)良い」と明確になっている場合、
なるべく多くの賛成の声を得ておくことが理事会として推進させるための拠りどころとなります。
したがって、この手のアンケートをとる場合、前提となる「事実情報や条件」にプラスして、
・なぜ理事会として一方の方向へ進めたいと考えているのか
・この考えに至った経緯
・この考えを今後推進するメリット
・ぜひ賛成して欲しい、というコメント
をなるべく細かく載せることがアンケート回答者の賛成につながるため重要となります。
①とは異なり、事実情報と同じくらいかそれ以上に、理事会としての考えや想いなどを載せることが重要です。
そして、回答欄は「賛成/反対/わからない」といったものに加え「理事会の考えに一任」といった
理事会の考えを尊重する旨の回答欄を設け、消極的賛成も得ておくことも考えられます。
この「理事会の考えに一任」的な回答欄に○をつける方は一定数います。委任的にお任せしたい方もいれば、
自分で判断できないが理事会のメッセージ(考え方や想い)を応援する意味で○をつける人もいます。
必ずしもアンケート内容そのものに正確なYESではないけれど、支援してくれていることが大きなプラスになります。
ひと口にアンケートといっても、
・理事会としてアンケート項目に対する意図やメッセージがあるかないか
によって、配布用紙の内容を効果的に見直すことで、理事会が望む結果が得られやすくなります。
(アンケートにもルールがある(2)に続く)
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次回以降のメルマガでは、合意形成を促進するために
36号 アンケートにもルールがある(2)
37号 先輩への気配りを忘れずに
38号 総会の出欠票は「取りにいくもの」
39号 議案の中身も説明者次第
について書いていきます。
・論点整理から合意形成を支援して欲しい!
・いますぐ合意形成をはかり問題解決しなければならない!
・隔週のメルマガは待っていられない!
と言う方は気軽にご相談下さい。
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https://e-sumigokochi.com/category/1305536.html
以上「子供のために買ったクワガタになぜかはまり、深夜帰宅して眺めながらほくそ笑んでいる」深山州でした!