当社の大規模修繕工事におけるコンサルティングの一つとして、長らく展開していた「リベート・バックマージンいらず設計監理」業務を、4月末をもって終了しました。
これまで当サービスをご利用いただいたマンション管理組合の皆様、本当にありがとうございました。
※現在支援中のお客様については、竣工まで、そして施工業者によるアフターサービス保証期間中も支援いたします。
6年前、マンション管理業界・修繕業界の表と裏を見てきて
・どの管理会社や設計事務所も、顧客であるマンション管理組合の見えないところで施工業者からリベート(バックマージン)を取っている
・管理組合は業者が受け取るリベートの分、修繕積立金を余計に支出せざるを得ない
と、汚い業界であることに憤り、この状況に楔(くさび)を打とうと、マンション管理士事務所として「クリーンで工事費の削減に貢献できるサービス」と確信してスタートしました。
しかし、私が描いていたような「沢山の管理組合から支持され、お問い合わせが止まらない」ようなビジネス展開には、まったくなりませんでした。
なぜこのサービスが売れなかったのか、、、ビジネスとして捉えた時、理念だけでビジネスモデルがなかったことや、あまりにも巨大で保守的な業界への喧嘩の仕方も稚拙であったこと、そしてとにかく説明力不足を痛感しました。
「実績のある大手設計事務所の設計監理見積もり金額が、新参者である当社の見積もりの半額~2/3で出てくるのはおかしいと思いませんか?」
と言っても、ほとんど管理組合に理解していただけず。
むしろ他社批判と捉えられたり、当社だけが逆を行き過ぎて却って怪しまれたり。
正しいことを言っているのに通じない歯がゆさと、正しいことがエキセントリック過ぎて敬遠される情けなさ。
私の力不足でした。ものすごく良い学びになりました。
大規模修繕工事の「不適切コンサルタントに注意」どう注意する!?
2017年には国土交通省が「不適切コンサル問題」として大きく問題視し、NHKの「クローズアップ現代+」でも大きく取り上げられるなどしました。
「ようやくこの業界の真実に、ユーザーである管理組合が気付きはじめ、大規模修繕工事の発注のあり方に疑問を持ち始めるかもしれない」と、少し期待しています。
一方で、リベートをもらい続けている設計事務所が集まって「クリーン」を謳った団体を作り、莫大な広告費を使ってメディアへ透明性を訴えるなどしており、管理組合がこのアホさ加減に気づくことができるか。
また、そもそも「予定調和」が文化になっている日本の社会において「リベートは必要悪」「多少高く取られても仕方ない」「大手のグループ企業から安心を買っているのだから」みたいな「悪しき商慣習」に流されていく。
そもそも「面倒なことは管理会社へ丸投げ」の管理組合はまだまだ多い、、、
私は、もう今までのビジネス(設計監理業務)で、管理組合に訴えていくのは辞めます。
私たちの考え方に完全同意していただき、単独の指名がない限り、見積もり参加は一切しません。
今回は負け戦、撤退です。
淡々と書いていますが、ものすごく悔しい。
今度、大規模修繕工事の業界に戦いを挑むときは、工事の発注方法を根底から覆すようなビジネスモデルを作ってからです。
これまでありがとうございました。
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