先日、東京都区部の小規模マンション管理組合へ相談業務に行ってきました。
こちらは築30年、10数戸、自主管理のマンションです。
自主管理というよりは、全員が無関心で理事長権限のない『裏理事長』が勝手に運営をしているような、無管理状態でした。
総会は開いたことがない、修繕積立金がいくらあるか判らない、誰が区分所有者かわからない、大規模修繕もやったことがない、、、ない、ない、ない、、、でした。
当社にお問い合わせ頂いたお客様もマンションの現状をほとんど知らない状態でした。
当社からのアドバイスは、
『まずはマンション内にあなたの疑問に共感してもらえる仲間を作ってください、3人集まったら私がアドバイスに行きますよ。』
他の居住者とコミュニケーションなど取ったことのないこのお客様、アクティブに勇気を出して一軒一軒へ声をかけた結果、それまで無関心だった他の区分所有者も『そういえばおかしいぞ?』と気付き始めました。5人、6人、と集まってきます。
結局この日は4名が集まり、ヒアリングさせて頂きました。
一通り全体の流れと進むべき道を提示し、皆さん一様に理解されたようでした。
このマンション、財政や建物の劣化状況からみれば、課題は山積みです。しかし小規模マンションの良さか、管理組合のメンバーがこの件をきっかけに結束を強め、コミュニケーションが会合の中で1分単位で深まっているのを見ると、管理組合としてチームワークはこれからもっと強くなりそうです。
雨降って地固まる、のスタートに立ったような感じです。
ところで最後に。
会合の中である区分所有者が、『あの理事長が全て悪い』と憤っていたので、私は一言
「その『悪い』の10分の一は『自分』に向けてください。無関心だったあなたも加害者の一人です。」