前回ブログ
「マンション理事会は論理的話し合いの場?(1)」では、
日本人が議論下手であること、その理由が
話が「論理的」でなく「感情的」であること、
マンション管理組合(例えば理事会)に例えてみると、
「年下より年長」
「女性より男性」
「新入居者より分譲時からの長老」
「新米理事より理事経験者」
「少数意見より多数意見」
というように、前者より後者の影響力が常に強くなる傾向にあること、
団塊世代以下の方達の多くや、都心部の築浅・高級・超高層マンションを中心に購入する諸外国の方々は論理思考であること、
を話しました。
江戸時代の鎖国以降、単一社会を貫いてきた日本が外国(論理思考での議論の)文化を受け入れる過渡期に差し掛かっているように私は感じますが、さて管理組合(理事会)での議論はどのように行うのが良いのでしょうか?
その答えは、4年前のとあるマンション管理組合理事長に見ました。
その人は世界的な外資系大企業の日本トップになったような方で、仕事の仕方やプライベートについても極めて論理的であり、私はその方から仕事を頂きながら勉強もさせて頂くという、なんとも贅沢な時間を頂きました。
この方の凄いところは、論理的な考え方や進め方を変えずに、理事会・総会時には説明の仕方を見事なまで変えていました。
つまり、
冷静な論理展開を展開しつつ、ここという場面では感情に訴えて同意を得ていた
ということです。
この方は、自分の考え方が正論であることを理解したうえで、正論だけをごり押ししたのでは日本人的団体には受け入れられないか、後味の悪い結果となってしまうことを知っていたのです。
日本人の議論は「感情」を抜きにしては成り立ちません。
特に管理組合のような「理事長も理事も一般区分所有者もフラットな団体」では尚更です。
論理思考を前提としながらも、場面に応じて感情に訴えることは、組合運営を円滑に進めるコツ、と思います。
この方の理事長としての管理組合運営には、他の理事や居住者は気持ちよく合意していました。
私はこの方の理事会・総会運営に立ち会うたびに「この人は凄すぎる」としびれていました。
冷静な論理展開を展開しつつ、ここという場面では感情に訴える
是非トライしてみてくださいね。
(私も日々トライ中です。)
マンション管理士 メルすみごこち事務所