現在コンサルティング中の小規模マンション(横浜市、築20年、20戸)での話。
物事の進め方について、ある男性理事は一旦持ち帰って検討したい時に、
「帰って奥さんの意見を聞いてみます」
きっぱりとこう言います。
既婚の男性が比較的大きな買い物や契約行為、飛び込み営業の説得に迷う時、「奥さんに相談します」と留保する人が多いのは日本だけでしょうか?
家計(お財布)を奥さんに委ね仕事に打ち込む男性が多く、自分では判断できないか(したくない)=奥さんへ丸投げなのだと思います。
私も以前は仕事以外になると「奥さんに相談します」を多用していました。
(今もでしょ!と妻の声が聞こえてきそうです(笑))
ところで、管理組合活動において
「奥さんに聞いてみる」
という行為は、上述のような「丸投げ」ではなく、常にニュートラルな視点に立とうとする姿勢の表れです。
そして「相談」の結果、当初の考えを何のためらいもなく翻すその理事さんからは、柔軟性・客観性、器の広さ、家庭での円滑なコミュニケーションを感じます。
多くの理事会は「働く男性の社会」であり、
彼らの勤務先では「スピード」や「合理性」「目に見える成果」が日々求められ、仕事ができる人ほどビジネスライクに進めるのが当たり前です。
この理事さんは、このビジネスライクな進め方を管理組合にそのまま当てはめて良いのか、居住者の賛意を得られるのかを確認したくて、「奥様への相談」を通じて自分をクールダウンさせているのだと思います。
奥さんやそのネットワークを通じた「住民の生の声」を考慮したほうが、組合運営がうまくいきます。マンションへ夜しか帰らない働く男性の視点だけで決めない、決め付けないことはとても大切な姿勢です。
「奥さんに聞いてみます」
管理組合活動では素敵な一言だと思いませんか?