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2008.07.23

マンション管理費削減の「成功報酬制度」、その功罪

前回ブログ「管理費は自分達でも簡単に下がります」では、管理費はコンサルタントを入れなくても同じ位下がる(元もとの価格設定に競争原理が働いていなかった)と書きましたが、ご理解いただけましたか?


ところで、この管理費削減について、多くのコンサルティング会社やマンション管理士に共通するのは、『成功報酬制度』と提案していることです。


「削減した管理費の○○%を削減させた対価として下さい。」という手法です。


管理組合からすると魅力的な謳い文句です。



削減できなければ報酬を払わなくて良いし、削減分の一定割合を払えば良いので懐が痛みません。
またコンサルタント採用を決断した理事会としては、支出面で総会での説明責任が果たしやすいのも有難いです。
あるいは、何かあったときに彼らに責任を追及しやすく、理事会として責任逃れができる、という面もあるかもしれません。






ところが、この「成功報酬制度」、






大きな落とし穴が待っています。






何を以って「成功」とするか、の定義が問題なのです。




ただ単に「管理費を下げてくれれば良い」という管理組合はほとんどないと思います。多くは「管理費が下がっても品質が下がらない」ことを望みますよね。


ところがこの成功報酬制度は、多くのコンサルティング会社やマンション管理士が、
「成功=削減」にフォーカスしているところが問題です。





削減ありきなのです。






削減させないと、報酬が下がってしまいます。
すると、どうしても安い管理会社を勧めざるをを得ない面があります。


複数の管理会社を呼ぶのは良いです。しかし価格競争を促進させるとダンピング合戦になり、価格と共に品質の低下という結果を招きます。

中身(品質)でも勝負したい真っ当な管理会社は、このような削減ありきの見積には参加しないか、途中で見積辞退するでしょう。


安かろう悪かろうの管理会社をあてがうのはとても簡単です。
それだったら、管理組合が自分たちで複数の管理会社から見積を取得するのと全く変わりませんよね。



何を隠そう私も、以前同様のミスを犯しました(正直に告白!)
以前在籍したコンサル会社で管理費削減を追及した結果、変更した管理会社の品質が以前より悪くなってしまったのです。


その時理事長をやっていた方からは、「自分たち理事会が会社を選ぶ目がなかった」と会社のことは悪く言いませんが、それではお金を払った意味がない、と思い心が痛みました。

その理事長とは今でも個人的に可愛がってもらっていますが、会うたびに「深山さん、当時の失敗を教訓にしてね」という無言のメッセージが聞こえてくるようで、肝に銘じています。こうして当所の今のコンサルティング手法にたどり着いています。


もう一度確認しますと、、


削減ありきの管理費削減であれば、コンサルティング会社やマンション管理士がいなくても、管理組合独力でできます!




次回ブログでは、なぜ多くのコンサル会社やマンション管理士が「成功報酬=削減報酬」なのか?について、その意外な理由をお話します。

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