自主管理とは、マンションの管理運営を管理会社に委託することなく、管理組合自身で行う方式のこと。清掃作業などできる範囲のことは組合員で行うほか、管理組合が管理員を雇ったり、植栽の手入れやエレベーターの保守点検を専門業者に依頼する。
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マンション管理運営のどれくらいのウエイトを管理会社へ委託するか、によって、「全部委託」「一部委託」「自主」と分かれます。
現在、日本全国のマンションの内、約70%弱が「全部委託」つまり「何から何まで管理会社へお任せ」です。
自主管理はほんの10%程度と言われています。
また、自主管理の形態をとるマンションは、そのほとんどが築20年以上が経過しています。
そこで、自主管理になるパターンを3つに分類してみました。
(その1)
その当時はマンション管理に対する情報が乏しく、また管理会社も試行錯誤の中で、一部の熱心な所有者が「その程度なら自分たちでできる、わざわざ高い金を払って委託する必要はない」と、管理会社を切って自主に移行した。
(その2)
30世帯以下の小規模マンションで、修繕積立金が貯まっておらず、このままでは将来の工事時に各所有者から数十万円の現金を拠出する必要がある、ということに気づいた一部の所有者が、ランニングコストの大幅な削減(修繕積立金への振替)を目的として管理会社を切った。
(その3)
新築(分譲)当初から管理会社がなかった。
自主管理のメリットは、兎にも角にも「管理費コストが安くなること」でしょう。
駅やコンビニなどに置かれている「住宅情報タウンズ」(リクルート出版、0円)を手にとって、後ろのほうの売り中古マンション情報を見てください。
マンション名から始まり外観写真、価格、間取り、専有面積、、、とあって、管理費の額のところに
月額○,000円(自主)
と書いてあれば、そのマンションは「自主管理」であることがわかります。しかも、たいていの自主管理マンションは「管理費の額が安い」のが目に付きます。
他の(管理会社へ仕事を委託している)マンションでは月額1万円とか多いと2万円近くまでかかるところがほとんどですが、自主管理マンションでは月額5,000円程度、というところもあります。
他人にマンション管理に関する仕事を依頼せず、自分たち住民で全てを切り盛りしていくと、当然ランニングコストは安くなります。
しかし、自主管理にはディメリットもあります。それは、
(1)管理費の取り扱い(出納や会計)から始まって建物維持のための計画策定、理事会や総会開催や段取り、各種資料作成、管理員の雇用に至るまで、全てを住民が行わなければならず、とても手間がかかる
ほとんどの自主管理マンションの場合、管理会社を切って独立の道を歩みだした頃は、所有者の年齢が30・40代と比較的若く、自分たちだけの運営もエネルギッシュにこなせます。
ところが20年30年と経つと、当時の所有者は60代70代となり、また一部熱心な所有者が引っ越して積極的に動ける人がいなくなり、マンション管理運営が停滞してきます。
みんなが誰かに依存し始めると、最終的には「自主管理」が「無管理」になるリスクを秘めている、と言えます。
(2)住民から集めた管理費や修繕積立金の取り扱いが住民の一部に委ねられるため、透明性に大きな不安が付きまとう
曖昧な会計処理はまだ良いほうで、役員による修繕積立金の使い込みなど、お金に関するチェック機能が働かないマンションでは何千万円もの大金が消えてしまうリスクを含んでいます。
最近では、管理業務の複雑さや透明性の大切さ、多少委託費を払ってでも楽をしたい、というトレンドもあって、自主管理に変更するマンションは非常に少なくなっている、と見ています。
逆に「自主管理から管理会社への委託管理へ」と変更を希望するマンションも出てきており、完全自主管理は曲がり角に来ている、と言えます。
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