2015.7.23~メルマガ第86号~
【今号のお題:マンション大規模修繕を成功に導く9か条 その12】
◆大規模修繕工事で100年快適な住まいを!バリューアップ検討 その①
「マンションの大規模修繕工事は、建物・設備を新築時の状態へ戻すための『原状回復工事』」
そもそもマンションの寿命とは、
① 物理的寿命(鉄筋コンクリートや設備配管が劣化して現実的に生活できなくなる)
② 社会的寿命(美観の低下・流行遅れ・最新のインフラに未対応・住民モラルの低下等の理由により、ハード的には生活できるけれど住みたい人がいなくなる)
の2通りがありますが、ほとんどの設計監理者や施工業者だけでなく、マンション所有者(組合員)の発想は、①の物理的寿命の維持に走りがちです。
修繕工事=劣化したものを直す、という発想ですが、せっかく時間をかけて準備をして、時間をかけて大掛かりな工事を行うのですから、劣化を直すだけではもったいなくありませんか?
巨額の修繕積立金を投じて行う大規模修繕工事を、修繕+改良のチャンスとして捉え、グレードアップを積極的に考えてみませんか?
ここでは大規模修繕工事のを利用して住み心地を向上させ、あるいは時代に対応した改良を、他マンションの実例を振り返りながら考えてみます。
・バリューアップ①:廊下や階段・ベランダ周辺
マンションの入り口から自宅までの間に、廊下や階段は必ずあります。多くの人が通行する廊下・階段付近はバリューアップの心理的効果がとても高いです。
またベランダ(バルコニー)も洗濯などで活用する時間が長く、ここを一新することで快適な住まいに生まれ変わります。
廊下に模様の入った塩ビシート貼る・天井の電灯を白色の直管から丸いカバーのかかったLEDタイプへと変更する・廊下側の壁を美しく塗装する・住戸側の壁や窓サッシ・玄関扉周りを高圧洗浄する、といった工夫により、性能を維持しながら快適な共用部分を作り上げることができます。
・バリューアップ②:エントランスホール周辺
マンションの入り口であり「顔」であるエントランスホールやロビーも、時間の経過と共に汚れ、古めかしく見えるものです。
特に東京都心(山手線沿線や内側)の築2~30年程度経過したマンションでは、居住者の美観に対する意識が高く、多くが大規模修繕工事にあわせてエントランス周りのバリューアップ工事を行っています。
これにより古いイメージが一新され、快適な空間へと生まれ変わることができます。
またソファやテーブル・家具・オブジェ・絵画といった備品についても、時と共に古くくたびれてくるものです。エントランスホールやロビー改修のタイミングに合わせて一新することをお勧めします。
もちろん時とともに味わい(風合い)が増すようなものは上手に維持してください。
・バリューアップ③:外壁や建具のカラーリング
外観はマンションが新築された当時から変更しない管理組合が多いですが、当時と今とでは色合いや材料のトレンドが移り変わっていますので、柔軟に対応したいものです。
ただし、色は繊細です。ほんの少しでもカラーリングを間違えると、センスのない外観になり、住むのも見られるのも嫌になりますから、カラーコーディネーター等のプロに依頼することをお勧めします。
・バリューアップ④:メールボックス(集合ポスト)や宅配ロッカー
メールボックスや宅配ロッカーはエントランスホールに近いところにあり、ホールの美観に少なからず影響します。また設備そのものの劣化による故障や使い勝手の悪さなども考えられます。
最近では宅配ロッカーに出前収納スペースやクリーニング引取りサービス・電動自転車の充電池収納・シェア自転車のキーボックス内臓など、様々な付加機能が付き便利になっています。宅配ロッカーのない管理組合では大規模修繕工事をきっかけに機能のバリューアップを検討してみてはいかがでしょうか。
(次号に続く)
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以上「酷い腰痛で厄年を実感する」深山州でした!