2014.12.22~メルマガ第72号~
【今号のお題:マンション大規模修繕を成功に導く9か条 その2】
大規模修繕工事のプレーヤーとは?②
大規模修繕工事は、予算的にも、時間的にも、
それまでのマンション管理組合活動とは比べ物にならないくらい、
様々なモノが動きます。
それは「人」についても同じです。
管理組合の各役職者はもちろんのこと、
管理会社、施工業者、設計監理者、セカンドオピニオン、、、
様々な人が関わりますが、これだけでも普段聞き慣れない用語に
戸惑う方も多いはず。
ここでは大規模修繕工事に従事する人を理解しましょう。
2)お客様(管理組合)
「専門委員会」
大規模修繕工事はマンション管理組合にとっては十数年に一度のビッグイベントであり、
計画から完成までの間に携わる理事会役員は、通常の期に比べ2~3倍の労力と時間、神経を使います。
そこで、特に中規模~大規模なマンションでは、理事会の諮問機関として修繕に特化した専門委員会を立ち上げ、
主に技術面を中心に工事を円滑に進めるところが増えています。
ただし、専門委員会はあくまで理事会の諮問機関=下部組織であり、工事に関する決定権はありません。
最終判断は理事会となります。
そして、理事会と専門委員会とが一枚岩になっていないと、いくら専門委員会が検討し提案しても、
理事会が取り入れなかったり、逆に技術力を持った専門委員会が理事会以上に実権を持ちすぎて
理事会が傀儡(かいらい)になる逆転現象が生じたりと、委員会を立ち上げたがゆえに管理組合の
運営がうまくいかなくなることがあります。
なので、委員会の立ち上げ時には、理事会との関係や役割を明確にしておく必要があります。
なお、専門委員会の構成メンバーに建設業界経験者が入れば、
技術的な面では力になりますが、修繕業界の素人でも十分に戦力になると考えています。
むしろ素人だからこそ細かいことでも質問したり調べたりすることができます。
悪しき業界慣習に染まらず、修繕工事費の高止まりを防ぐことができるかもしれません。
(ここは後日のメルマガで書きます)
この専門委員会の名称は「修繕委員会」という名称であることが多いです。
「専門委員長」
専門委員会の長であり、委員会のリーダーであり取りまとめ役です。
委員会を設置する管理組合のほとんどが、この委員長に建設業界経験者が就きます。
なお、専門委員長は委員会メンバーのリーダーですが、
理事会へは提案できるものの最終決定に加わることはできません。
「居住者」
一般の居住者(組合員や賃借人など非組合員を総称)は大規模修繕工事において、
理事会から見ると「お客様」です。どんなに良い工事計画を立てても最終的に総会で否決されては
進めることができませんし、いくら安い工事を実現しても、工事期間中において施工業者の対応や
態度が悪ければ理事会(専門委員会)の責任にされることもあります。
理事会(専門委員会)は、居住者には普段からこまめな広報を通じて大規模修繕工事の検討プロセスを公開し、
組合員からの質問は常に受け付けておき、会合の様子を傍聴できるようにしておくなど、
信頼を勝ち得ておく必要があります。
(つづく)
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以上「いよいよ2014年も終わり!来年は厄年を乗り越えるぞ」の深山州でした!