マンション管理コンサルタントの武居(たけい)です。
つい先日、週刊ダイヤモンドで特集されたマンション管理・修繕特集の「続き?」と思える位のタイミングで、国土交通省から通知が発行されました。
※前回コラム「大規模修繕工事からリベート・バックマージンをなくそう」はこちら
すごいタイミングです。
僕らのような一事業者以外の大きな組織が、公の場で声を大にして訴えることは、とても有意義です。
でも、設計コンサルタント(大規模修繕の設計監理者)による、施工業者との癒着やリベート・キックバック要求は、今に始まったことではありません。
発注者であるマンション管理組合が素人であることや修繕に無関心であること、悪い意味で「プロ」に依存する体質であることが、こうした悪い慣習を今日まで引きずってきましたし、その悪い恩恵をやっぱり管理組合が受けて行きたのです。
国土交通省からの通知には、指摘されている事例として次のような内容が例示されていました。(通知文を抜粋しわかりやすく修正させていただきました)
この3つの事例を見て、
うちにも相談が来た事例とそっくり
あの会社と、あの会社、あの会社だ
思い当たります。
当社には、上記の事例のような相談がけっこう来ます。
上記の事例のように「当社が途中から業務を引き受けた」ことも何度もあります。
例えば当社が設計コンサルタントとして見積を出すと、修繕業界では新参者で小規模な当社の見積もりより、大手や中堅の設計事務所の見積のほうが常に安いです。
常に当社見積の2/3~1/3の見積なんです。ありえません。
どうしてか?当社は施工業者などから名目如何を問わず一切のバックを受け取りません。
当然、事業を管理組合からの報酬のみで成り立たせなければならないので、当然高くなります。(いやいや「普通の見積」になります。)
他社は、施工業者選定において管理組合にバレないように便宜を図り(談合)、施工業者からのリベート(バックマージン)を貰えるので、設計コンサルタント報酬はいくら安くても、十二分に埋め合わせができるのです。
このようなカラクリをマンション管理組合へ説明しても、知らずか知ってか、書類選考で見積金額重視の評価基準を持たれるところが多いため、最近は当社として管理組合へこのあたりの実態を説明して、理解してくれたところにしか見積を出さないようにしています。
さすがにこのような状態が常態化したことを国土交通省も問題視し、今回の通知となったのでしょうね。
(つづく)