2014.07.22~メルマガ第63号~
【今号のお題:管理組合が「ぶれない」運営をするために必要なこと(9)】
このコラムでは、中~大規模マンションの管理組合運営の課題と
改善提案について、これまでの経験を踏まえたコラムを書いてみます。
これまでのコラムでは、
・理事会は「役員の数」よりも「会議の質」を重視するために、
多すぎる役員の定数を減らしたり、役員の任期や交替の仕方を
変えることが重要である。
・理事会役員の人数や任期を改善したら、今度は理事会の継続性向上や
活性化のための仕組み作りが必要である。
・理事会の継続性・活性化のための事例として、
○理事会引継ぎマニュアルを制作して運用している事例
○理事会の過去の歴史をまとめ、読み合わせをしている事例
○管理規約に「前文」を制定し、代々守っていく事例
○年間スケジュールを作成してプロジェクトを実行する事例
○理事の役職別にマニュアルを作り引き継ぐ管理組合
○新規入居者向けのガイドブックを作成し、入居後に説明する管理組合
○コンサルタントを「外部理事/委員や議長代行」として導入する管理組合
○ホームページ等で内・外部へ情報公開する管理組合
そして
・理事会議事録の重要性
・ICレコーダー録音の功罪
を紹介しました
◆捨てられる!せっかくの議事録がゴミ箱に
さて、前々回、前回と議事録の重要性について書きました。
将来のために適切な記録を残すことを主眼においたものです。
一方で、この議事録を「多くの住民と情報を共有するツール」として
機能させることができるでしょうか?
答えは残念ながら「NO!」です。
一生懸命作成した理事会の議事録を全戸へ投函し、
翌日集合ポストに設置されたゴミ箱へ捨てられる、、、
といった虚しい経験を大規模マンションの理事さんの
多くがお持ちだと思います。
◆議事録は「伝わる」手段ではない。「残す」ツールだ
理事会が過去の様々な問題を解決し、現在の課題に立ち向かい、
将来に向けて前向きな提案を考えるプロセスにおいて、
一般の住民への広報活動はとても重要です。
もし、あなたのマンションで、広報の手段として
「議事録の全戸配布が行き渡っている」
とお考えでしたら、おおいに問題あり、と考えてください。
議事録は文字主体(というか文字のみ)で、
会合の際に出された参考資料の添付すらないことがほとんどです。
大規模マンションの議事録は、だいたいが少なくて3~4枚、
多くて7~10枚はざらです。
恐らく95%の住民は読まないでしょう。
ただし、管理にとても興味のある5%の住民には、確実に伝わります。
熱心に読んでくれる方は必ずいます。
この5%の方は大抵が総会に出席して意見されるので
すぐにわかります。
この関心の高い5%の方のために議事録を全戸へ広報するのは
非常にもったいないですね。
希望者に配布するか、管理事務室(フロント)で渡せるようにするか、
ITツールを使い閲覧できるようにするかで十分です。
少なくとも紙代の節約にはなります。
議事録は、「伝わるための道具」ではありません。
後世に記録を残し、何か問題があったときに振り返るための
拠りどころなのです。
「伝えたつもり」が「伝わっておらず」
総会で紛糾して採決できず、、、といったことは
防ぎたいですよね。
◆大規模マンションと広報の難しさ
議事録が『残すツール』とすると、
『伝える』『広める』ツールは何になるでしょうか?
やはり『広報紙(チラシ)』と『インターネット(SNS)』になります。
特に当社では、理事会顧問契約の中に
『広報紙案の作成』がセットになっています。
理事会が取り組んでいることが少しでも伝わり、多くの理解者を増やすべく
広報は必須業務としています。
広報紙(チラシ)は、なるべく字を大きく、イラストや写真・図を駆使し、
時には手書きを入れる、紙の色を変えるなど、思わず手にとって
いただけるように工夫することで、認識率をあげることができます。
普段から街中にある『目立つチラシ』に意識すると、
自然と目立つチラシが作れるようになります。
そして広報のどこかに『詳細は議事録をご覧下さい』と
詳細が知りたい方にも行き渡るようにします。
しかし大規模マンションでは、住民の管理に対する当事者感覚が低く、
どうしても『情報を取りにいく』意識に乏しいのは避けられない事実です。
ただでさえ情報量の多い世の中で、マンション管理組合の運営に
どれだけ関心を持ってもらうか、、、非常に悩ましいところです。
その他、
・掲示板へのチラシの効果的な貼り方
・チラシの配り方、貼りだす場所と期間の決め方
・実際のチラシの作り方
・ITツールの活用方法
などなど、色々とあります。折を見てメルマガでお知らせします。
★中規模・大規模マンション管理の問題解決と合意形成は得意です!
以上「ドトールのマンゴーフローズンに首ったけの」深山州でした!