2012.12.25~メルマガ第25号~
【今回のお題:大規模修繕工事の設計監理者を信じますか?】
○前回のおさらい
前回のメルマガでは、ほとんどの組合員にとって初体験となる
マンションの大規模修繕工事について、その発注方式とプレーヤー(関係者)
についてお話しました。
そこには、発注者である管理組合と実際に工事する施工会社のほかに、
・設計監理者(技術的なパートナー)
・セカンドオピニオン(主に助言や合意形成を中心としたコンサルタント)
の両者がいることもお話しました。
→おさらいに前回のメルマガはこちら!
https://e-sumigokochi.com/article/14663387.html
→設計監理者とは?セカンドオピニオンとは?用語の意味はこちら
http://e-sumigokochi.net/article/14507660.html
○設計監理者(設計事務所・一級建築士)の課題とは?
「施工会社との馴れ合いや癒着」
これは最も残念なことですが、残念ながら大規模修繕(改修)の設計を手がける
設計事務所や一級建築士の多くが、施工会社から紹介料や便益供与を受ける
密接な関係にあります。
当社のように修繕業界出身でない人間から見ると、本当に特異な業界です。
設計事務所と施工会社が「技術に関する情報交換や交流」を持つことには賛成です。
修繕業界の動向や改修に関する最新技術などを提供しあうのは、最終的に顧客である
管理組合の利益につながります。
しかし、「金銭に絡む情報交換や交流」は、結局「業者間の馴れ合いや癒着」に
つながります。建設業界でいうところの談合体質が色濃く残っている業界と言えます。
当社のところにやってくる施工会社の営業マンの多くが「紹介料は、、、」と
ダイレクトに、あるいは遠回しに提案してきますがこれが馴れ合いの始まりです。
マンション修繕業界の慣習であり、
「業界の常識は世間の非常識」であることを実感します。
では実際に設計事務所と施工会社との馴れ合い・癒着とはどのようなものを
指すのでしょうか?
1)特定の施工会社が管理組合から選定されるように設計事務所が調整し、
その見返りとして施工会社から設計事務所へリベート(バックマージン)
→設計事務所や一級建築士と施工会社が同じ業界団体の会員として
加盟しているような場合、かなりの確率で馴れ合いがあります。
特定の施工会社から年間で億単位の金員を受け取っている設計事務所が
あるという情報をよく耳にします。施工会社から見れば
大規模修繕案件(管理組合)をたくさん抱えている設計事務所は
「大口のお得意様」ということです。
2)金銭のやり取りではなく、設計事務所が建物調査・診断を行う際に
施工会社からスタッフを無料で(または格安で)提供してもらい作業をさせ、
その見返りとして管理組合が施工会社を選定する時にその施工会社を優遇
→設計事務所や一級建築士同士で人材を融通し合うのは良いですが、
修繕工事の見積依頼先である施工会社から人を借りるのはまさに
便益供与です。
細かく言えばもっといろいろと馴れ合いの仕方はあるのですが、
大きくはこの2つです。
いずれにしても、管理組合の利益に貢献すべき設計監理者の多くが施工業者と
何かしらの馴れ合いや癒着に染まってしまい、その結果管理組合がコツコツと貯めてきた
修繕積立金を無駄遣いしているのは残念なことです。
では、この設計監理者と施工業者との馴れ合いや癒着を防ぐには
どうすれば良いでしょうか?
(次回に続く)
※大規模修繕工事の設計監理業務をはじめました!
http://e-sumigokochi.net/category/1571440.html
以上「6歳の息子が同級生からチューされたと聞いて嫉妬した」深山州でした!