2014.03.25~メルマガ第55号~
【今号のお題:管理組合が「ぶれない」運営をするために必要なこと(1)】
このコラムでは、中~大規模マンションの管理組合運営の課題と
改善提案について、これまでの経験を踏まえたコラムを書いてみます。
これまでのコラムで、
・理事会は「役員の数」よりも「会議の質」を重視する
マンションの規模に比例した人数を用意することよりも、
理事会の場での議論が活性化され、内容のあるものにするために
適した人数を設定すべきである、と述べました。
そのためには、
・全員に程よく発言の機会や雰囲気があり
・程よい距離で会話ができ
・程よく役割やタスクが振り分けられる
(やりがいも見出せる)
そして
・欠席することや仕事をしないことに罪悪感を感じる
人数として、理事会(の会議)が円滑かつ活発に進められる人数は、
理想は5~7名、多くても10名が良い、とも述べました。
◆前回コラムはこちら!◆
◆理事会人数の次は「継続性」
理事会役員が適正な人数になり、議論が活性化するようになってきたら、
今度はこの活性化された流れを継続させなければなりません。
せっかくの流れが、総会で理事役員が入れ替わったことで元に戻ったら
意味がありません。
継続性は組織運営の基礎ですが、これができていない管理組合が
とても多いです。
◆マイナーからメジャーへの移行期「理事会役員の任期変更」
マンション管理を管轄する国土交通省が、
標準管理規約(管理組合のルールである管理規約のサンプル)への
特記事項として、
「管理組合が継続するために、理事の任期は2年で、
1年ごとに半数が入れ替わることが望ましい」
といったようなコメントがなされています。
私がマンション管理業界へ身を投じた13年前、
勤務先の管理会社で担当していた管理組合で、
この「2年任期の半数入れ替え」を行っていたところは
一件もありませんでした。
他にも見回してみましたが、ほとんどが
「任期は1年で全員が入れ替え」
でした。
まれに、一人の理事長が何年も頑張って「継続性を確保」していた
ところはありましたが、組織だって継続性を確保していたところは
非常に少なかったです。
それがわずか10年で、当社へお問い合わせ頂く管理組合の4件に1件は、
何かしらの形で理事役員が一斉に入れ替わることのないように
管理規約が見直されています。
管理組合が主体的に動きつつあることが実感できます。
◆管理会社は理事会の継続性を応援しないのか?
では、管理組合のサポート役として業務を委託している管理会社は
理事会役員の任期変更について、助言してくれないのでしょうか?
辛口のコメントを言う人は、
・管理会社は管理組合が無関心でい続けてくれたほうが
自分達の仕事がやりやすいから、理事が知恵をつけないように
1年での全員交代を望む
と断言しています。
確かに、そう思えるような対応をしているフロント担当者も
結構います。しかし、多くのフロント担当者は、当社が理事会役員の
任期2年や半数入れ替わりを提案すると賛成してくれます。
そこで考えられるのは、
・管理会社としては、フロント担当者に「理事会の活性化」についての
教育指導を行っていない。
・管理会社が良い仕事をすれば、理事会(マンション住民)が汗をかかなくても
マンションは維持できる
・マンション住民の負担をかけさせないためにも、管理会社が円滑フォローすれば
理事の任期は1年全員入れ替えでも良いのでないか
・そもそも理事会役員の継続性といった発想がない(現状が普通、という認識)
ということです。
管理会社のフォローはとても大切ですが、
管理会社はあくまで日常管理(会計、管理員派遣、保守点検、資料作成)といった
定常業務がメインであり、マンションの5年後、10年後を目指した提案や
管理組合が主体的に動くべき、といった発想は少ないのだと推察します。
管理会社に頼らず、住民が主体的に組織を変えなければなりません。
◆理事会の継続性を確保し活性化させる方法はいくつかある
次のコラムから、管理組合が組織として継続性を持ち、理事会が活性化するための
事例をいくつか紹介して参ります。
当社が積極的に提案しているものから、私も「なるほど!」と学ばせて頂いたアイデアまで
様々です。ご期待下さい。
★中規模・大規模マンション管理の問題解決と合意形成は得意です!
https://e-sumigokochi.com/category/1263073.html
以上「我慢の連続のせいか?体重が過去最高に達し慌てる」深山州でした!