2013.2.26~メルマガ第29号~
【今回のお題:大規模修繕工事費を『工事品質を保ちながらコストダウン』する方法を考える その2】
前回のメルマガでは、大規模修繕工事のコスト削減方法について、
1)責任施工方式(特命)での工事発注はしない
2)管理会社に施工・設計監理を任せない
3)設計監理者と施工会社との馴れ合い・癒着に注意を配る
の3つをご紹介しました。
○まだまだあります、大規模修繕工事のコスト削減方法
4)施工会社の選定はダンピングでない競争入札を実施する
工事費の削減には、公募を含めた競争入札を行う必要があります。
ただし修繕業界は横(施工業者間)のみならず縦(設計監理者と施工会社)の
つながりも強く、入札情報が漏れることもあります。
設計監理者による施工業者の選定支援では、設計監理者が用意した5~10社程度
からの見積り合わせであることが多く、馴れ合いや癒着の可能性もあり
大きなコスト削減は望めません。
思い切って、設計監理者から施工業者の選定業務を取り上げ、
理事会(修繕委員会)だけで情報が漏れないような競争入札を図ることで
大幅なコスト削減が図れます。
設計監理者からはあくまで「設計や監理の技術だけを買って」
業者選定は管理組合が独自で行うくらいがコスト削減を徹底できます。
(もちろん癒着しない設計監理者を選ぶのが一番であることは言うまでもありません)
5)春・秋以外の工事を検討する
マンションの大規模修繕工事は、いわゆる
「春工事(3月~6月)」と「秋工事(9月~12月)」の2シーズンのどちらかに
集中するのが一般的で、いわゆる真夏と真冬にはあまり工事が行われません。
真夏はお盆、真冬は年末年始にそれぞれ足場があることで
防犯面の心配を指摘する居住者がいること、
そして冷暖房が欲しい時期に使えない不便さがあること等がその理由です。
逆に、この時期は多くのマンションで大規模修繕工事が見送られるために
現場の作業員が余って(遊んで)しまうことから、見積を多少安くしても
仕事が欲しいと考える施工会社もあります。
特に小規模マンションで修繕積立金の残高が少ない場合には、検討に値します。
6)工事の周期を見直す(延命を図る)
一般的に、
「(外壁補修や屋上防水を含む)大規模修繕工事は12年に一回」
と言われていますが、必ずこのタイミングで必要、と決め付けることはありません。
2000年前半までは、多くの管理会社が作成する長期修繕計画に、
大規模修繕工事の周期を「10年」と記されていました。
近年の工事実績や材料の性能向上もあり、12年周期が一般的となりました。
しかしそれでもまだ長持ちすることも十分にありますし、
今後も技術革新により周期は伸ばせると見ています。
また、大規模修繕工事では足場をかけて外装を中心に行いますが、
必ずしも足場を必要としない工事(例えばベランダや廊下のシート貼り換えや鉄部塗装
(玄関ドア枠やパイプスペースなど)・エントランスホール改修など)もあります。
まだ寿命が先であれば部分的に延命を図ることで、工事費の削減につながります。
以上、修繕業界の論理に流されず、本質を見失わずに検討することが
皆様の修繕積立金を守ることにつながります。
※大規模修繕工事のセカンドオピニオン業務とは?
http://e-sumigokochi.net/category/1571438.html
※真のプロフェッショナルを目指して!設計監理業務をはじめました。
http://e-sumigokochi.net/category/1571440.html
以上「管理組合の理念作りコンサルティングに奔走しながら自社の理念改訂に着手できず焦る」深山でした!