2015.3.26~メルマガ第78号~
【今号のお題:マンション大規模修繕を成功に導く9か条 その4】
大規模修繕工事の品質を維持しながらコストダウンを図る方法とは?
◆大規模修繕工事費はいくら?
『世帯数×100万円?120万円?』
あなたのマンションで管理会社から提案された長期修繕計画には、1回目、2回目の大規模修繕工事費として、
おおむねこの数字に近い金額が計上されていないでしょうか?
確かに大規模修繕工事はマンション管理組合にとって十数年に一度の大掛かりなものですが、
本当はどれくらいの工事費が必要なのでしょうか?またコストダウンの余地はないのでしょうか?
ここでは大規模修繕工事のコスト削減方法について考えましょう。
1)責任施工方式(匿名)での工事発注はしない
マンション管理組合が設計監理者や修繕コンサルタントを入れず、施工業者を直接選定する「責任施工方式」を採用すると、
施工会社の選定に競争原理が働かないために、修繕工事費が高止まりするリスクは否めません。
また実際の修繕工事時に工事品質のチェック(工事監理と言います)をする機能が住民にないため、品質確保は全て素人である住民次第となります。
工事費が高止まりする可能性が高く、品質チェック体制がない責任施工方式は、特殊な条件下でない限り、採用しないに限ります。
2)管理会社に施工・設計監理を任せない
次回のコラムで書きますが、マンション管理会社が施工や設計監理を行う場合、ほぼ全ての業務をそのまま下請けへ外注へ出すことになります。管理会社には修繕部門はあっても、自ら職人を抱えることはまずありません。設計監理者や施工会社と直接契約したほうが、それだけでコストが10~20%安くなります。
逆を言えば、管理会社を通すことでそれだけ工事費や監理料が高くなります。日常の管理委託でお世話になっているからといって大規模修繕工事費が[お客様価格になる]などと言うことはありえないのです。
3)設計監理者と施工会社との馴れ合い・癒着に注意を配る
では、設計事務所等の設計監理者を採用すれば、2)で書いた管理会社へ依頼するより修繕工事費が安くなるでしょうか?
確かに管理会社を通さないだけ、修繕工事費は下がりそうなものですが、大変残念ながら実際には設計事務所等のほとんどが施工業者から5~15%のバックマージン(リベート・紹介料)を得ています。
施工業者は設計監理者へ支払うバックマージン分を回収するべく、修繕工事見積もりを高く設定します。結局、このツケは管理組合が追うこととなり、修繕工事費が高くつくことになります。透明な第三者に入ってもらったのに、結局第三者は施工業者側だった、ということが多い業界なのです。
管理組合が住民からコツコツ集めた修繕積立金を無駄遣いしないためには、癒着・馴れ合いの全くない、クリーンな設計監理者を選定することがとても大切です。
(④~⑥は次回へ続く)
(終わり)
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以上「(前回に引き続き)談合は日本の必要悪だ!の声に負けんぞ~の」深山州でした!