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2018.02.01

マンションの資産価値を取り戻せ!(管理組合を設立する方法)

HP 245(2018年2月1日更新)

◆「都心の一等地にあっても、これじゃ売れません」

東京都の都心部(山手線の内側や外周)には、昭和の時代に分譲された「管理組合のない」マンションがたまにあります。
今の当たり前が、当時はそうでもなかった時代に建てられたマンションです。

23区でも屈指の住宅街に佇む、ある小規模マンションにも、管理組合がありませんでした。管理会社も入っていない「自主管理」でしたが、それでも30年以上ものあいだ、大きなトラブルもなく、ここまで運営してこれたのでした。

問題は、ある区分所有者が専有部分(所有する部屋)を売却しようと、複数の不動産仲介業者へ査定を依頼した時に発覚しました。

その区分所有者は、部屋の査定に来たすべての不動産業者から

「ものすごく安くしないと、売れない」
「安くしても、売れないかもしれない」

と、衝撃の回答をもらったのでした。

不動産業者から
「このままでは売れないから、売れるようにマンション管理士へ相談して欲しい」
と言われ、恐らく区分所有者本人としては訳が解らないまま、当社へ相談に見えました。

なぜ都心の一等地に建つマンションなのに、売れないのでしょうか?

※マンション管理の課題解決はこちら!理事会アドバイザー

◆不動産価値のない「3ないマンション」

マンションを所有する側の話から転じて、マンションを購入する側からの視点で話をします。

マンション購入者のほとんどが、不動産価格の全額をキャッシュで支払うことはありません。
頭金を出して、残額は金融機関から住宅ローンを組みます。

住宅ローンを組むとき、金融機関は対象となる不動産(今回の場合、この自主管理マンションの一部屋)に

「抵当権をつけるだけの担保としての価値があるか」

をチェックします。
このチェック段階で、部屋そのものには大きなトラブルはありませんでしたが、マンションとしてみた場合、

・マンション全体を管理・運営する「管理組合」がない
・管理組合がない、ということは、内部のルールである「管理規約」もない
・同じく、建物(共用部)を長期的にメンテナンスするためのプラン(長期修繕計画)や、修繕積立金の概念もない

と、マンションを「団体・組織」として捉え、「長期的な安定を担保」するものが何一つなかったのです。
まさに「3ないマンション」だったのです。

金融機関は、管理組合なく、管理規約なく、長期修繕計画や修繕積立金の概念なきマンションには住宅ローンをつけてくれないのです。

いくらマンションの一部屋が綺麗でも、廊下や階段が掃除されていても、団体・組織としての体をなしていないと「資産価値が守れない」と判断されてしまうのです。

その結果、不動産仲介業者からは、

・金融機関が住宅ローンをつけてくれないマンションは、現金一括で購入する客以外に紹介できない
・現金一括で購入できる客はただでさえ少なく、売却チャンスが非常に低い
・現金一括で購入できる客が現れたとしても、売却希望価格を大きく叩かれることは必至

という回答になったのです。

 

◆3ないマンションを正常化しよう

管理組合も管理規約も長期修繕計画もない「自主管理」マンションの資産価値は限りなく叩かれてしまいます。
そこで当社へお鉢が回ってきた、というわけです。

やることは、実はシンプルです。

・管理組合を設立する
・管理組合の設立に合わせて管理規約を制定する

まずはこの2つを行うことで、マンション管理組合を設立することができ、管理組合という組織が出来上がります。

そのうえで、

・そのマンションにあった長期修繕計画を作る
・会計を「管理費(日常の支出)」と「修繕積立金(長期修繕計画上必要な修繕支出のための貯蓄)」に分ける

という流れで仕組みを作ってゆきます。

全区分所有者へ手紙を出し、一人ひとりに理解を求め、最後は設立臨時総会(そうです、新築マンションで行われる、あれです)を開催し、その議事録の写しを金融機関へ提出しました。

すると、それまで「担保価値がないから住宅ローンはつけられない」と言っていたすべての金融機関が融資してくれることに。
そしてお部屋の売却を検討していた区分所有者は、上述の仕組みが整ったわずか半月後に買い手が付き、近隣の相場程度で売却することができたのでした。

まずは、不動産としての資産価値を回復させることができたので、ひと仕事完了です。

とはいえ、マンション管理組合が設立されたのは、組織運営の第一歩を踏み出したばかり、ということです。
これから区分所有者が自分たちのマンションを「住まい」だけでなく「資産」として捉え、価値を守っていただきたいと思います。

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