これも驚きました。
「も」とは、1月下旬に東急コミュニティーがコミュニティワン(旧ダイア管理)等を束ねるユナイテッドコミュニティーズを360億円で買収した、と発表されたばかりなのに、今度は大京が穴吹工務店を(あくまで親会社同士ですが)買収したからです。
単純に大京アステージ、ジャパン・リビング・コミュニティ、グランドアメニティ合計で業界最大手の約45万戸を管理する大京グループが、約7万弱の戸数を管理する穴吹コミュニティを子会社化することになると、1ヶ月前に業界トップ規模に躍り出た東急コミュニティグループを瞬く間に再逆転(50万戸以上のマンションを管理)することになりそうです。
^^^ここから(共同通信WEB 平成25年3月11日より転載)^^^^^^^^^^^^
分譲マンション大手の大京は11日、同業の穴吹工務店(高松市)を4月1日付で100%子会社化すると発表した。
穴吹が会社更生手続きを終えるのを機に、
再建を支援した投資ファンドから穴吹株すべてを307億円で買い取る。
東日本地域に強い大京は、西日本の地方中核都市を中心に展開する穴吹の買収に相互補
完のメリットがあると判断。マンション関連事業での相乗効果を狙う。
^^^ここまで^^^^^^^^^^^^^^^^
では、穴吹工務店系列の管理会社である穴吹コミュニティ(合併吸収される確率が高い側)へマンション管理業務を委託している管理組合にとって、今回の親会社間の買収により大京アステージによる子会社化が実現した場合、どのような影響があるでしょうか?
これは2月1日ブログ記事「東急コミュニティがコミュニティワンを買収」に書いたこととほぼ同じ事が言えます。
つまり、
1)短期的視点:
特に大きな変動はないと考えます。労働集約産業であるマンション管理業界では、管理組合担当者が
すぐに入れ替わることは考えづらく、管理人と同様に継続されるものと考えられます。
2)中期的視点:
大規模修繕工事において、穴吹コミュニティは工務店のグループ企業であるだけに施工業者としての元請を中心に受注していると見ます。一方大京アステージは設計監理者(設計事務所機能)も展開しているので、どう融合するかは未知数です。いずれにしても大規模修繕工事に関して何らかの受注を目指す傾向は変わらないでしょう。
管理会社が関与する大規模修繕工事は必ず割高になると断言できます。買収に関わらず修繕積立金を守るために第三者の設計監理やセカンドオピニオンの導入をお勧めします。
※大規模修繕工事における管理会社の課題とは?(当社の修繕コンサルサイトへリンク)
3)長期的視点:
当然ながら大京アステージの影響力が強くなり、大京色が強くなるでしょう。ただし現グループ会社であるジャパン・リビング・コミュニティやグランドアメニティが未だ別会社であることからも、1年2年ですぐに変化するものではなく、時間をかけてゆっくりと色が付いてくると考えられます。
M&Aが進んでいます。今は管理業者が多すぎますから適正な会社数に向かっている、ともいえますが、大手同士が合流することで一層の寡占化が進むものと思われます。
マンション管理士(管理組合コンサルタント) メルすみごこち事務所
《管理組合の良し悪しが「住み心地」と「不動産価値」に影響を与える時代を創る》