マンション居住者の永住志向やコスト意識の高まりか、最近
『管理会社に支払っている管理費を削減したい』と言うお問い合わせが増えています。
「マンション『管理』はマンション『経営』そのもの」
と考える僕らにとっては、支出の見直しはどこの企業でもやっていることであり、
とても健全なお問い合わせです。
一方、支出の見なおしと称して闇雲なコスト削減を図ることは
「暮らし向きの低下」「設備の機能低下・劣化促進」につながる危険性を秘めています。
何事にも「バランス」は必要です。
ところで、これから管理費を削減したいとお考えのマンション理事長様に
経験上ぜひ注意して欲しい点があります。
それは、
管理会社からの減額提案があった場合、
受ける前に熟慮して欲しい、ということです。
理由
・減額提案が単純値引きであった場合、管理組合にサービス品質を精査することは難しい
→管理業務とはなかなか目に見えないサービスであり、いくらでも加減を調節することが
できることで、結局安かろう悪かろうを招くリスクがあります。
・減額提案の中には、管理会社の懐が痛むことは少なく、
協力会社(下請け業者)を泣かせることが多いため、これらの会社が管理会社の見えないところで
加減したり、現場で働くスタッフの気持ちが下がり品質低下を招くリスクがあります。
・もし将来的な修繕積立金の枯渇を憂えて徹底なコスト削減を図ろうとする場合、
管理会社から提示された中途半端な削減提案で理事さんや住民が何となく満足しまう結果、
本来の目的(徹底的な削減→積立金の充実)が達成できなくなります。
どんな話にも必ず表と裏があります。
マンション管理(経営)を長期的な視野で見るなら、
根拠ある値引き、値引き後の精査が必要です。