「マンションの理事長は人によっては『麻薬』のようなもの」
と例えてくれた、とある顧問先マンションの元理事長さん。
前期まで理事長を務め上げ、今期はオブザーバーとして理事会へ同席するものの、新理事会を尊重し発言を適度に控える、配慮ある素敵な方です。
「自分に『長』という肩書きが付いた瞬間に、気が大きくなる人がいる。」
「理事長になった瞬間に管理会社や管理人が『理事長、理事長』と御伺いを立ててくる。これが続くと、『自分はマンションで一番えらいんじゃないか?』と勘違いを始める」
「他の居住者から『理事長が良くやってくれている』『助かっている』『もう一年理事長を続けて欲しい』と賞賛の言葉を浴びせられることで、本人もその気になってしまう」
「『じゃ、あと1年だけやるか』『もう1年やらないと管理組合運営がまとまらない』と、ずるずる役員を続けていくうちに『楽しく、面白く、そして理事の仕事が快感になってくる』。だから理事長は麻薬。」
「マンションの理事長には、ヒト・モノ・カネが集まる。特に修繕工事においては何千万円~億のお金が動くため、甘い言葉を囁いて近づいてくる業者が一杯いる。ここに理事長が絡むと、、、だから麻薬。」
「お金が絡まなくても『他の組合員から賞賛されたい』という一種の『自己顕示欲』が満たされることが快感となる。これも麻薬。」
的を射たご意見です。
「そのコメント使わせて頂きます」と、
ブログに書いてしまいました(笑)
私も自宅マンションで「理事長」を経験しましたし、会社では代表取締役「社長」ですが、「長」の呼びかけに何の喜びも感じません。
むしろ「社長」とか「先生」とか、やめて欲しいです。
深山さん、が一番です(年齢も性別も関係なし)。
ですから、「理事長は麻薬」にもはじめはピンときませんでした。
しかしここ1、2年と現場で揉まれていくうちに、
意味するところよく理解できるようになりました。
最近のお問い合わせでも
「特定の理事(長)が権力をふるい、すべての案件が理事(長)を通らないと進まない」
「理事長の知り合いの業者にしか工事を発注していない」
といった類の相談が多いです。
幸か不幸かマンション管理組合の理事長になった皆さん、くれぐれも謙虚に、全員の利益の最大化を目指して任期を全うして欲しいです。
そして辞め際はさっぱりと、男らしく(女らしく!?)でいきたいものです。
2年連続で役員に就任し、『業者からワイロを貰ってるんじゃないか疑惑』を持たれた苦い経験を持つ元理事長のマンション管理士 メルすみごこち事務所(怪しい経歴書の(7)参照)