当社はマンション管理士事務所として「管理組合の合意形成を重要視」する、とホームページで謳っています。
居住者同士のコミュニケーションが取れないと、どんな問題も解決に進まないからです。
すべての道は合意形成から。
そう思ってアドバイスしています。
ところが、タワーマンションやメガマンション、団地などのいわゆる
「大規模マンション」では、その執行部である理事会が大人数であり、20名以上であることも珍しくありません。
20世帯の小規模マンションも20名の理事会役員も合意形成の大切さは変わりませんが、大規模マンションの場合、理事会役員の20名の背後に数百名、場合によっては千人規模の居住者が控えているわけです。
小規模マンションはちょっとしたコツで合意形成がうまくいき、管理組合にスピード感が出てサクサクと前進することは比較的容易ですが、大規模マンションでは役員間や居住者、管理会社等の関係者を含め意見のとりまとめが非常に大変であり、スピードが抑えられてしまう面があります。
これはどんな組織にも似ていて、中小企業と大企業、小国と大国との違いに似ています。
やはり多くの「人」が介在することで意見調整が必要になるのはどんな組織でも変わらないようです。
ただし、他の組織とマンション管理組合とで大きな違いがあります。
それは、マンション管理組合の合意形成には固定化(義務化)されたルールがなく、マンション次第で柔軟な運用(合意形成のルール変更)ができる、ということです。
もちろん柔軟なルールへと変えるために一旦は従来通りの合意形成がいりますが、一度乗り越えてしまえば大規模マンションでもスムーズな運用が可能となります。
大規模マンションの合意形成はいずれ社会問題になると見ています。今のうちから改善策を研究するチャンスである、と考えています。