2013.7.9~メルマガ第38号~
【今回のお題:管理費を下げたい その前に9 『総会の出欠票は「取りにいくもの」』】
これまでのコラムでは、
・マンション管理組合における合意形成のスタートは
「何が問題で」「どうすべきなのか」のストーリー作りが大切
・説明は論理的な内容だけでなく、感情的な訴えも必要
・説明内容もさることながら『誰が説明するか』も大切
・広報は『インパクトのあるものを』『こまめに』『連載もので』
・住民へのアンケートにも2つの手法がある
・アンケート手法によりメリットとリスクがある
・総会合意を得るためには過去の理事経験者に対する気配りを
を書きました。
○総会の出欠票は「取りにいくもの」
マンション管理において、大きな物事を決めるのは
「総会」です。
これまでの連載コラムで述べたような考え方で
合意形成を図っても、最終的に総会で議案が「可決承認」とならなければ
これまでの努力がすべて水の泡になってしまいます。
また、これまでの連載コラムで述べたような方法で
合意形成を図っても、一定数は必ずいる
「マンション管理の無関心層」
の方々が何らかの意思表示をしてくれないと、
総会そのものが不成立となってしまい審議ができなくなります。
これを日本の議員や首長の選挙制度と比較してみましょう。
日本の選挙制度では、原則として投票率が低くても、
投票された票の中で賛成か反対か(誰が当選か)が決まります。
例えば、2011年の埼玉県知事選挙は投票率は約25%わずかでしたが、
選挙自体は有効で、知事も選ばれています。
一方で、マンション管理組合の総会自体は、
原則として総議決権数の過半数(つまり50%超)の票がないと、
そもそも総会が成立しない事になっています。
また、重要な管理規約(マンション内重要ルール)の改定や共用部分の用途変更など、
一部の議案は総議決権数・総組合員数のそれぞれ75%超の賛成が必要と決まっていて、
非常に敷居の高いものとなっています。
あなたや理事会がマンション管理組合全体の利益を考えてせっかく良案を考えても、
総会で審議されなければ「考えなかったことと同じ」になってしまいます。
そこで先ほどの、一定数は必ずいる
「マンション管理の無関心層」
の方々に目を向けてみると、意外に多いのです、この無関心層が。。。。。
マンションの規模が大きくなればなるほど、
マンションの外部に住む(賃貸に出すか空き家の)所有者が多ければ多いほど、
無関心層が比例して増えてしまいます。
どうせ自分の一票を投じようがこの世の中、変わらない。
どうせ自分の出欠票を投じてもこのマンションは変わらない。
と、冷めたマンション所有者がいる、ということです。
最近の日本の政治と似たようなところがあるかもしれません。
この無関心層に、高齢化して総会に対する意思表示ができない方を加えて、
50%の組合員が総会に出ない・委任状も議決権行使書も出さないとなると、
総会そのものの成立が怪しくなります。
また組合員の25%が出欠票を提出してくれないと、重要な議案の成立要件
(75%の賛成)に届きません。
そこで、
総会の出欠票は「取りにいくもの」
です。
まず、理事の皆さんで「出欠票の獲得に歩き回る」ことを検討してください。
総会議案書を配布した後で、
・掲示文で総会開催をアピールをする
・配布文で出欠票提出を呼びかけをする
・時にはエレベーターの中や外の押しボタンのところにチラシを貼りだしをする
・時には理事が手分けして一件ずつ訪問し、総会の説明をして票を出してもらうようにする
(白紙の出欠票を持参して再度渡す)
・時には管理員(大規模マンションは防災センター要員)にお願いして、
管理事務室から各お部屋のインターフォンへ直接通話して依頼する
・外部に住む所有者には電話して直接催促をする
と、言ったような地道な方法を、何回も何回も繰り返して、
確実に出欠票を集める必要があります。
もちろん管理会社に協力を依頼できるところはお願いするのも良いでしょう。
総会が確実に開催されるために、
総会の出欠票は「出てくるのを待つ」のではなく「取りにいくもの」
と割り切って取り組んでください。
すべてはここまで頑張って検討してきた提案を
総会で審議する為です。そして承認していただく為です。
提案の中身がよければ、あとは数を大切に。
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次回以降のメルマガでは、合意形成を促進するために
39号 議案の中身も説明者次第
について書いていきます。
・論点整理から合意形成を支援して欲しい!
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以上、「息子が鶴見川で拾ってきたミナミイシガメに一番夢中な」深山州でした!