2015.6.25~メルマガ第84号~
【今号のお題:マンション大規模修繕を成功に導く9か条 その10】
◆大規模修繕工事における管理組合の課題とは?その①
日常の理事会運営ですら一枚岩になるのが難しいマンション管理組合の組織力。
この組織力の弱さが大規模修繕工事において様々な問題やトラブルを抱えることになります。
大規模修繕工事の成否は設計監理者や施工業者の良し悪しの前に、発注者である管理組合の団結力(合意形成)にかかっている、と言えます。
ここでは「トラブルになりやすい」代表的な2つのケースを見てみます。
○管理組合トラブル事例1:特定の理事(修繕委員)の力が働いた業者選定
一回の取り組みで数千万円~規模によっては億単位の修繕積立金が動く大規模修繕工事を成功させるためには、修繕工事そのものの品質や競争入札等による工事費の削減もさることながら、執行部である理事会や修繕委員会の「お金に対するクリーンさ」も重要になります。
ところがマンション管理組合にはこの手にまつわる「黒い話」がかなり多いのです。大掛かりな取り組みにもかかわらず多くの住民や理事は無関心であり、特に専門外である大規模修繕工事にもなると「詳しい人にお任せしたい」と特定の理事や修繕委員へ依存する傾向が強くなります。
そんな緩い雰囲気の中で、理事長や修繕委員が
「自分のビジネスの運転資金が欲しい」
「こづかいが欲しい」
と思えば、大規模修繕工事費の数パーセントのお金を作ることはそれほど難しいことではありません。
特に建設・修繕業界に詳しい人が理事長や修繕委員になれば、職権をつかった操作は非常に簡単といえます。
施工会社からか?理事長や修繕委員からか?お互いにコンタクトを取り合い、リベート(バックマージン)と引き換えに有利な業者選考を誘導するようなことも少なくありません。我々のように汚い現場を多く見てきた人間が見れば
「この大規模修繕工事は特定の人の力が働いている」 ということはかなりの確率でわかります。
このような黒い話を防ぎ、皆さんの大切な修繕積立金を無駄に使わないためには、理事会役員や修繕委員の全員が透明性を第一に考え、すべてのプロセスにチェックを働かせる必要があります。
また修繕に詳しい居住者へ依存してしまうくらいなら、全員が大規模修繕工事の素人で、信頼できる設計監理者やコンサルタントを採用するほうが断然クリーンさを保つことができるでしょう。
情報が集まりやすく権限の大きい理事長や、修繕に明るく居住者に任されている修繕委員ほど、身の潔白を証明し続ける必要があります。
「業者選定には一切関わらない」くらいのスタンスをはじめに打ち出してもらってから就任してもらうくらいがちょうど良いです。
(管理組合トラブル事例2へ続く)
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以上「本の執筆活動に追われて泣きそうな」の深山州でした!