日本の分譲マンションは、年度に合わせた引っ越し需要に合わせて建築していることが多いので、圧倒的に「2月・3月に竣工」のマンションが多くなっています。
そうなると、管理組合の決算は、
2月末竣工:会計期間は3月1日~翌年2月末。総会月は4月か5月
3月末竣工:会計期間は4月1日~翌年3月末。総会月は5月か6月
となることがほとんどです。
つまりこれが我々マンション管理士の業界の繁忙期ということになります。
中でも5月は第1週目にGWがあるため、管理組合の通常総会は2週目以降の土日の各3回で実施することになります。
と言うことで、特に第3週・4週の土日は「通常総会ラッシュ」となっています。
5月ばかりは、新規お問い合わせのマンションよりも、既存の「理事会アドバイザー業務(顧問契約)」先の管理組合を優先せざるを得ません。
本当に忙しい土日なのです。
土日が忙しい5月、と言いましたが、実は前半と後半で、忙しさの中身が異なります。
第1週(まさにGW中)は、総会議案の作成に頭を使います。総会議案書の組合員への発送期限が決まっていて(普通は通常総会の2週間以上前)、そこまでに全ての力を注ぎ、多くの組合員に賛成して頂ける議案文章を理事会の皆さまに代わり作成したり、議案の参考資料やデータを作ったり探したり。
一方で、総会議案書として完成し、管理会社に印刷・配付をお願いする第2週になると、マンション管理士の手から離れます。
そして第3週・4週は、土日ごとに2つ、3つの顧問先マンションの通常総会を「はしご」しなければならず、各会場間の移動が間に合うか、その意味で忙しいのです。
本業の頭脳労働はあまり忙しくありません。
総会当日は資料を持って会場へ行くだけなのです。
マンション管理士は理事会や総会の現場に立ち会うのが仕事のほとんどと思われていますが、現場は発表や確認の場でしかなく、それ以前の準備や調査が最も重要で時間を要するものなのです。
通常総会においても、管理会社からサラッと送付される資料の中に
・マンション管理士から理事会へ提案し採用された内容を実施するための議案
・理事会や管理会社が作成した議案の加筆修正サポートを経ている議案
など、一般の組合員からはほとんど見えることのない支援をしています。
せっかくの良案も、文章一つで組合員へ間違って伝わったりネガティブに受け止められてしまっては勿体無いですし、議案文は後世に残る大切な記録です。全力で頭脳を使う必要がある、と考えています。
そんなわけで、当社ではGWはドーンと休み扱いにしているものの、ほとんど休みなくメールと電話で総会の資料作成に追われているのが実態です。
マンション管理士:武居