2015.4.9~メルマガ第79号~
【今号のお題:マンション大規模修繕を成功に導く9か条 その5】
(続)大規模修繕工事の品質を維持しながらコストダウンを図る方法とは?
◆大規模修繕工事費の削減方法の検討(続)
大規模修繕工事はマンション管理組合にとって十数年に一度の大掛かりなものですが、本当はどれくらいの工事費が必要なのでしょうか?またコストダウンの余地はないのでしょうか?
ここでは大規模修繕工事のコスト削減方法について、前回に引き続き考えましょう。
4)施工会社選定はダンピングでない競争入札を実施する
設計監理者による施工会社の選定支援(設計監理者が用意した5社程度からの見積り合わせ)
では、施工会社間の馴れ合い(談合)の可能性があり、大きなコスト削減は望めません。
やはり公募を含めた競争入札を行う必要があります。
ただし、マンション修繕業界は横(施工会社間)のみならず、縦(設計監理者と施工会社)のつながりも実は強く、入札情報が漏れることも十分に考えられます。前回コラムの3)でも書いたように、設計監理者が特定の施工会社へ落札させる代わりに、施工会社から修繕工事見積金額の5~10%をリベート(バックマージン)として受け取る、ということがまかり通っている業界です。
そこで、設計監理者から施工会社選定業務を取り上げ、理事会(専門委員会)だけで情報が漏れないような競争入札を図ることで、コスト削減が図れます。
なお、サブコンのうち二次・三次下請け会社を切り中間マージンをカットする提案もありますが、工事品質の確保が保証されない限りお勧めできません。
5)業界シーズンオフでの工事を検討する
マンションの大規模修繕工事は、いわゆる「春工事(3月~6月)」と「秋工事(9月~12月)」の2シーズンのどちらかで行うのが一般的で、いわゆる真夏と真冬にはあまり工事が行われません。
真夏と真冬はお盆・年末年始に足場があることで防犯面の心配を指摘する人がいること、冷暖房が欲しい時期に使えない不便さがあること等がその理由です。
逆に、この時期は多くのマンションで大規模修繕工事が見送られるために現場の作業員が余って(遊んで)しまうことから、見積を多少安くしても仕事が欲しいと考える施工会社も多いのです。
特に小規模マンションで修繕積立金の少ないところは検討に値します。
6)工事の周期を見直す(延命を図る)
一般的に「(外壁補修や屋上防水を含む)大規模修繕工事は12年に一回」と言われていますが、必ずこのタイミングで必要、と決め付けることはまったくありません。
2000年位までは、大規模修繕工事の周期を「10年」で提案する管理会社や設計監理者も結構ありましたが、材料の性能向上もあり12年周期が一般的となりました。今後も少しずつ周期が伸びると考えます。
そもそも建物ごとに劣化状況は様々です。
本当に修繕工事が必要なのはいつなのかを常に見極めることで、一つ一つの修繕工事の周期を実態に合わせて延ばし、コスト削減につなげましょう。
そのために技術パートナーに劣化状況を毎年見てもらうコストは十分投資効果があります。
また、大規模修繕工事では足場をかけて外装を中心に行いますが、必ずしも足場を必要としない工事(例えばベランダや廊下のシート貼り換えや鉄部塗装(玄関ドアやパイプスペースなど)・エントランスホール改修など)もあります。
まだ寿命が先であれば部分的に延命を図ることで工事費の削減につながります。
(終わり)
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以上「小3の息子とナス嫌いで意気投合してママに怒られた」深山州でした!