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管理組合が「ぶれない」運営をするために必要なこと(7)

【今号のお題:管理組合が「ぶれない」運営をするために必要なこと(7)

このコラムでは、中~大規模マンションの管理組合運営の課題と
改善提案について、これまでの経験を踏まえたコラムを書いてみます。

これまでのコラムでは、

・理事会は「役員の数」よりも「会議の質」を重視するために、
多すぎる役員の定数を減らしたり、役員の任期や交替の仕方を
変えることが重要である。

・理事会役員の人数や任期を改善したら、今度は理事会の継続性向上や
活性化のための仕組み作りが必要である。

・理事会の継続性・活性化のための事例として、

○理事会引継ぎマニュアルを制作して運用している事例
○理事会の過去の歴史をまとめ、読み合わせをしている事例
○管理規約に「前文」を制定し、代々守っていく事例
○年間スケジュールを作成してプロジェクトを実行する事例
○理事の役職別にマニュアルを作り引き継ぐ管理組合
○新規入居者向けのガイドブックを作成し、入居後に説明する管理組合
○コンサルタントを「外部理事/委員や議長代行」として導入する管理組合
○ホームページ等で内・外部へ情報公開する管理組合

そして

・理事会議事録の重要性

を紹介しました。

◆前回コラムはこちら!◆

◆理事会議事録の作成にICレコーダー録音は必須!?

特に中~大規模マンションでは、
理事会や専門委員会の会合に、しばしばICレコーダーが登場します。

会合の時間が長くなりがちで、かつ議題も多く、管理業界に従事していない方には
すぐには飲み込めない内容も多いため、理事さんが持参したり、
管理組合の備品として購入しています。

最近ではスマートフォンでもかなりクリアな音声で
録音できるようになりました。

また、管理会社のフロント担当者の多くが、やはり理事会や専門委員会の場に
ICレコーダーを持ち込んで録音しています。

私は最近こそ議事録を作成することはなくなりましたが、
昔は法律相談が絡むような複雑な案件や、会合の参加者の中に意見を異にする
利害関係人がいて発言の証拠を押さえておきたい場合のみ、
ICレコーダーを用意していました。

それでも、実際に録音データを起こしたことはおろか、
聞き返したこともほとんどありません。
録音したデータは半年間くらい放置した挙句、消去してしまいます。

◆テープ起こしが翻訳力の成長を妨げる

管理会社のフロント担当者やマンション管理士とぜひ共有したいことは、

「ICレコーダーは、いざという時のバックアップであり、基本は頼らない」

ということです。

・とにかく時間の無駄!

3時間の理事会を録音して、議事録作成のために録音データを再生すると、
なんだかんだと最低でも3時間程度の確認時間が必要です。
書き洩らしのないよう完璧な記録を目指すと、それこそ1.5~2倍は必要と
なります。

また、読み手からしても、時間の無駄となる可能性があります。
膨大な文章を読まされることになるからです。

・話の丸写しが能力アップの機会を阻む

ICレコーダーの録音内容を丸写しすることは、
リアルな現場での「声のトーン」「言葉のニュアンス」などが
盛り込まれないことと表裏一体です。

「なぜ××でなく○○を購入したのだろう?」
「△△建設に決めた理由は何だったかな」
「□□へ見直すきっかけが思い出せない」

といった、その結果が導き出されたプロセスをわかりやすくシンプルに
伝えることが、議事録から抜けてしまいかねません。

議事録から「なぜそうなったの?」というポイントが抜けることは、
議事録の価値を大きく損なうことに繋がります。

また、そもそも要領をシンプルに伝える能力は、ビジネスマンには必要な
スキルであり、管理会社フロント担当者やマンション管理士も
持っているべき能力です。

この能力を引き上げる貴重な機会を、
「話の丸写し」によって失っているのはもったいないことです。

ICレコーダーの盲目的な活用は避けたいところです。

(次号に続く)

★中規模・大規模マンション管理の問題解決と合意形成は得意です!

以上「プライスレスをプライスに変える一工夫を模索中の」深山州でした!

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