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一般(管理費)会計には「遊び」が必要だ

建物や設備の維持には修繕積立金の充実が不可欠です。特に小規模マンションでは各住戸当たりの負担額が多くなり、将来的な積立金不足の度合いは大規模マンションと比べて強くなります。

 

修繕積立金の財政不足は、建物そのものの劣化を招くことになりますし、多額の予算を投じてグレードアップ(改良)するための原資にもなりますので、十分な蓄えが必要なのは言うまでもありません。

 

最近では書籍や新聞・インターネット記事などのメディアを通じてマンション管理に関する話題に触れる機会が増え、

「管理会社へ全てをお任せにするな」とか
「管理費を削減して修繕積立金へ振り替えろ」
「日常の支出を節約して修繕積立金を貯めろ」

このようなメッセージが今まで管理組合運営に無関心であった理事(長)の啓蒙に一役買っています。

 

 

 

ところで、マンション管理に対する意識が高く、修繕積立金の充実に力を注いでいる管理組合の決算・予算資料を見ると、管理費会計(一般会計)の各支出を精査し、管理委託費などの削減に取り組んでいます。

 

そして最終的に残った繰越金(剰余金)を積立金会計へ振り替えて、修繕積立金の充実に当てています。とても結構なことです。

 

 

ところが、この「管理費会計(一般会計)の各支出を精査し、管理委託費などの削減」が極端なマンションになると、管理費会計からの支出を少しでも抑えるべく、理事会や管理組合が柔軟に活動したり居住者間のコミュニケーション向上のために確保しておきたい経費すら削っている管理組合がかなりあります。

 

 

特に小規模マンションはその傾向が強いです。

 

 

理事会運営費はゼロ!
雑費もゼロ!!
予備費もゼロ !!!

 

 

管理費会計「ゆとりゼロ」のマンションです。

こういうマンションに出会うと、個人的には少し悲しくなります。

 

 

 

管理費会計の赤字は日常の維持メンテナンスや管理会社への委託に支障を来たすため、絶対にあってはならないことです。

しかし、必要経費以外は全く遊びがない管理組合は、組合員同士がコミュニケーションを取る機会を失うこととなります。

 

その結果、「チームワーク」や「団結力」そして「皆で楽しむゆとり」(共用部分のグレードアップや居住者間イベントなどで楽しむ発想)の劣化を招いてしまいます。

 

 

「どうせウチのマンションはお金もないし、ただ理事としての責任や仕事だけがあるつまらない役回りだから、おとなしく1年間は耐えて理事の任期を全うしよう」

 

こんなネガティブな意識の役員が増えると、普段の理事会活動は淡々としたものとなり、いざと言う時の結束力が弱まります。

 

結束力が弱まると言うことは、何か重大なトラブルや課題があったとき、居住者間で前向きに話し合ったりお互いを理解し合うことが難しくなり、「ソフト面」の劣化が「ハード面(建物設備)」の劣化を助長する可能性を十分に含んでいます。 

 

 

 

 

私は断言します。

居住者間コミュニケーション醸成のためのコストは、管理組合としての「プライスレスな投資」です。

小規模マンションでは特に重要な投資です。 

 

 

 

管理委託費や共用電気料金などでコスト節約できた場合、全額を修繕積立金へ振り替えるのではなく、少しは居住者同士の楽しみのために取っておきませんか?

 

せめて理事会役員同士の懇親会経費くらい管理費会計で賄って欲しい、、、そう思うのは私だけでしょうか?

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