コラム

管理会社は膨大なデータを活用したほうがよい

ある顧問契約中の
大規模マンション管理組合での話。

建物内に36台ある排水ポンプの交換時期について、
管理会社が作成した長期修繕計画には

【7年ごとに一斉交換】

と記載がありました。

今は築10年。ここに来て、管理会社から
一斉交換の提案が上がってきました。

ちなみに、この計画上の【7年目】で壊れたポンプはなく、
8年目、9年目に数台ずつ壊れている状況です。

理事会の中では様々な意見が出されました。

・修繕コスト節約のために壊れた1台ずつ交換すれば良い
・予防保全の観点で一定時期がきたら全交換すべき
・その折衷案、、、

管理会社からは、【なぜ】【いま】【全交換】なのか?という
明確な説明がなかっため、管理組合(理事会)も迷っている状況です。

そこで当社から管理会社へ、次のお願いを出しました。

・当マンションのポンプ交換履歴を一覧化する
・この管理会社の他物件(地域・築年数が近いところ)のポンプ交換履歴を作成し、
トレースする

1ヵ月後、管理会社の技術部の方が、
約束の資料を作ってくれました。

自分のマンションの交換履歴と他のマンション(20件)のものとを重ね合わせて
分布図のように見てみると

・長期修繕計画上【7年】周辺で交換しているマンションが多い
・他のマンションに比べて、当マンションは交換周期(今回の10年目での一斉交換)は
かなり更新を引っ張っているほうであるが、11年以上更新していないマンションはほとんど無い

ことがわかりました。

これらのデータをもとに、理事会でさらに議論した結果、
次の内容で全員合意しました。

・今回(10年目)での一斉交換を実施する
・長期修繕計画を見直しし、【7年ごとに一斉交換】を、【10年ごと】と引っ張る
・10年毎の計画金額は、今回の一斉交換の見積金額を36台分に置き換えて計上する
・10年未満で壊れたポンプは都度交換し、壊れないポンプも10年たったら
 一斉交換する(まとめて実施すると割安になる)
・この改修ポリシーを記録として残し、来年以降の理事会へ引き継いでいく
(詳細は割愛)

管理組合の執行部である理事会としては、
管理会社からの提案に対し、その妥当性を検証して実行する/しないを判断する
必要があると思います。

決して安い工事費ではありませんので、必要に応じて住民への説明責任を果たす
観点からも、支出する根拠はあるべきです。

また管理会社には、管理組合へ提案するに当たり
このような根拠やポリシーもあわせて提案してもらえると、
管理組合(理事会)が『どうしたら良いの?』と迷わなくなると思います。

この理事会の後、管理会社の技術担当者から、

『メルさんの言うとおり、データ化してみるといろんなものが見えてくるのですね。単に【長期修繕計画上で7年だから交換】ではなくて、自分たちの実績から数字を出すことが大切ですね。他の設備についても少しずつチャレンジしてみます』

と前向きなコメントを頂きました。

この管理会社は業界でも最大手の部類に入ります。
マンション管理士より膨大なデータが眠っていますから、
これを活用しない手はありません。

マンション管理士(管理組合コンサルタント) メルすみごこち事務所

マンション大規模修繕工事を成功に導く9か条とは?

《管理組合の良し悪しが「住み心地」と「不動産価値」に影響を与える時代を創る》

マンション大規模修繕を成功に導く9か条
メディア実績
ニュース-シブ5時
防火ブログ
マンション大規模修繕を成功に導く9か条
賃貸マンション・貸しビルの建物まるごと安心サポート