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我がマンションの植栽が育たない!(6)

2013.12.24~メルマガ第49号~

 

【今回のお題:我がマンションの植栽が育たない!(6)】

 

このコラムでは、マンションの植栽を改善するための提案を
実際に成果がでている顧問先マンションの事例を出しながらご紹介しています。

 

◆マンション植栽の改良事例
 『シニア主婦のひとことが130戸で1200万円を動かしたマンション』
(横浜市港北区、築30年弱で130戸のファミリータイプ)

(前回までのあらすじ)
大規模修繕工事を終え、建物が綺麗になった様子を見た
最高齢のシニア女性理事さんが、ボソッと『植栽がくたびれて古い感じ』
と仰ったことがヒントとなり、植栽の全体改修を提案し
造園業者による「マンション植栽のデザイン提案コンペ」を実施、
見事に美しい庭を勝ち取りつつあります。

※前回コラムはこちら!
https://e-sumigokochi.com/article/14994803.html

◆マンションの美しい庭を維持・発展させるために必要な
 「継続性と居住者の力」

前回コラムで、次のようなQ&Aを書きました。

^^^ここから^^^^^^^^^^

Q.植栽は一度改良したら、後の保守は業者へお任せすれば良いの?
A.新たな植栽を生むのは造園業者。それを育てるのはマンション管理組合です。

植栽に限らずどんなことでもそうですが、
プロの任せて丸投げよりも、多少なりとも自ら関与し続けることが
品質を保ち向上させるためには必要です。

そのための仕組み作りが必要となります。

^^^ここまで^^^^^^^^^^

せっかく多額の管理組合予算を投じて改良を行った植栽ですが、
それはあくまで造園業者へ依頼して生まれ変わらせた、庭作りの「スタート」です。
ここから継続的に、植物(庭全体)を育てていくことが大切です。

★継続性を確保するために その1(長期植栽計画)

以前のコラムで、

「このマンションの庭を10年後にこうしたい!というプランで業者を比較する」

と書きました。

そこで選ばれたプランに基づき、計画的に改良・保守を行う必要があります。
しかし管理組合は1年周期で理事会役員が入れ替わり、予算も1年ごとに決められます。

継続性の弱い管理組合で、せっかく「10年後を目指そう」と決めたのに、
植栽に興味のない住民が理事になって計画が頓挫する、なんてことは避けたいです。

そこで考えたのが「長期植栽計画」です。
たいていのマンションに備えられている、建物や設備の「長期修繕計画」
この植栽バージョン、とお考え下さい。

選定した造園業者に、向こう10年間のざっくりとしたスケジュールを
立ててもらい、このスケジュールを

「管理組合オフィシャルの計画」

として総会承認を得る、という考え方です。

代々の理事会は、この計画に則って(個人の想いを排除して)予算を確保しなければ
ならないようにし、計画が安定的に実行されるようにすることが大切です。

そしてこの計画を変更する場合には必ず総会の決議が必要とし、
理事会だけの合意での容易な計画変更をさせないことも重要です。

★継続性を確保するために その2(植栽ワーキングチームの発足)

一連の植栽コラムで登場して頂いた事例のマンション管理組合では、
10年先を目指した作った計画に基づき、理事会の諮問機関としての
ワーキングチームを立ち上げました。

理事会は役員が毎年入れ替わり継続性がなく、
かつ植栽以外の多くのマンション管理に関する仕事を処理しなければ
なりませんから、長期計画を全うするだけのモチベーションは高まりません。

上述の長期計画を作ったら、造園業者任せではなく自分達が主体的に
計画を運営していくほうが理想の庭に近づくこととなります。

そこで、植物を愛する有志の居住者でワーキングチームを作って、
理事会がある程度の権限を委譲する仕組みづくりを提案しています。

このワーキングチーム作りにおいて大切なことは3つです。

1.「委員会」といったお堅いネーミングは使わない

 植栽に興味・関心がある居住者の多くが、女性やシニアです。

 「委員会」はどちらかというとビジネス的な雰囲気を持つ言葉であり
 「責任」「義務」「規律」といった重い言葉を連想させます。

 女性やシニアに、もっと能動的に、気軽に参加してもらうほうが
 組織は長続きします。自分もやりたい!と思ってもらうためには、
 なるべくやわらかく、かつ若々しいネーミングにすることを
 おすすめしています。

 例えば「TEAMグリーン」「ガーデニング倶楽部」「みどりネット」
 といった感じでしょうか。
  

2.理事会とワーキングチームとの業務分担を明確に

 この手のワーキングチームを作るときに問題となるのが
 「理事会とワーキングチームとの関係性」です。

 理事会の力が強すぎるとワーキングチームが形骸化し、
 ワーキングチームの力が強すぎると暴走する恐れがあります。

 また両者の仕事の分担が曖昧だとトラブルになることも考えられます。

 そこでワーキングが行うべき仕事を明確にすることをおすすめしています。

 例えばワーキングチームが理事会の承認を得ずに実施できる仕事として、
 
 ・10年計画の実行に向けた造園業者との打ち合わせ
 ・10年計画の微調整
 ・年間保守(剪定・施肥・除草・害虫駆除等)のスケジュール変更
 ・年間保守の確認、検印
 ・年間○○万円までの予算を拠出し、その範囲内での改善活動
  (例:花の植え替えやメンバー間の懇親費用、植栽を通じたイベントの実施)
 ・10年計画とは別の改善を行いたい場合の理事会への提案

 と定義づけをし、そのほかはすべて理事会決議が必要とする、などが
 考えられます。
 
 また、これらの内容を取り決めた植栽ワーキングチームの
 運営ルール(細則)を作っておくことで、住民からオフィシャルに
 認められた存在となり、またワーキングチームに一定レベルの
 責任を持ってもらうこともできます。

3.総会で活動を報告する

 どんな活動を行い、10年計画に対してどの程度進んでいるのか、
 などについて総会議案書にも書類を差込み、当日説明してもらうことで
 住民へ植栽の認知度を高まらせることも可能です。 

以上、マンションの美しい庭を維持・発展させるためには

「継続性と居住者の力」

が必要です。
また、これらを引き出すのがマンション管理コンサルタントの仕事、
ということが言えます。

(次号につづく)

※マンション植栽も問題解決と合意形成!理事会顧問業務とは?
https://e-sumigokochi.com/category/1263073.html


以上「子供との時間がなによりの幸せ」と噛み締めて一年を終える深山州でした!

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